爬虫類・両生類/両爬のQ&A

2時間目・ホモとヘテロ

みんなー!宿題はやって来たかな??というわけで今さら聞けない両爬ホビーの専門用語を授業形式で解説する「実況!両爬の生物学授業!」の2時間目です!今回のテーマは「ホモとヘテロ」!

執筆者:星野 一三雄

キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン....

全国の両爬ファンのみなさん、コンニチハ!
それでは、授業を始めまーす。挨拶をお願いしまーす。

「起立。気をつけー。礼!」
「お願いしまーす」

ハイ、お願いします。
えー、っと授業のはじめになんですが、今日はちょっと先生テンション低めです。スミマセン。ちょっと本業の方でしくじってしまいまして。ま、そんなこたー、どーでもいーねっっっ!

というわけで、前回の授業では遺伝を中心とした両爬の生物学の1時間目として減数分裂に関して勉強したんですが、内容は覚えているかー?
じゃ、確認の意味で、前回出した宿題の答え合わせから行きましょうか。
宿題:アカハライモリは染色体数が2n=24である。これについて以下の問いに答えよ。

問1. アカハライモリの精子の染色体数をnを使って表せ。

問2. アカハライモリの卵の染色体数をnを使って表せ。

問3. 受精卵の染色体数をnを使って表せ。
と、まあこんな問題なんだが、どう?
じゃ、問1. を...出席番号34番!!
「...n=12?」
はーい!正解っっ!!

2n=24ということは、親個体の細胞の染色体は24本。それが減数分裂して精子をつくるわけだから、染色体数は半分になるわけだ。大丈夫だな。

よし、じゃこの調子で問2. を出席番号4番!!
「n=12ですっっっ!」
よし元気があって何より!正解です!
卵も精子と同じように減数分裂してできるから精子と同じn=12だな。

じゃ、第3問だ。出席番号9番!
「2n=24」
完璧!!n=12の精子とn=12の卵が受精するから、二つ合わさって12+12=24だね。
こうやって、生き物の体の染色体は、オス親とメス親の持つ染色体、つまり遺伝子を半分ずつ受け取っているということを覚えておいてくれよな。

ところで染色体って、何だっけ?
答えさせたいところだが、ちょっと答えにくいと思うので。
染色体は、簡単に言うと「遺伝子がある場所」と考えればいいよな。

今回は、その遺伝子の役割の話だ。

遺伝子と表現型

遺伝子は、当然ながら「形質」を子孫に伝えていく手段のようなものと考えればいいだろう。生き物の体を作るための「設計図」なんて例え方をすることも多いが、これはなかなかうまい例えだと思う。
つまり家を建てるために設計図があって、それを見ながら作っていくように、生物は遺伝子を使って、その通りに生き物の体を作り上げていくわけだ。

爬虫類の遺伝子の研究とかは、あまり詳しくは調べられていないが、コーンスネークの体色を例にとってみよう。コーンスネークのノーマルってどんな色をしている?出席番号14番!
「茶色の地色に黒色に囲まれた赤色のブロッチがあります」
そうだね。こういう複雑な体色も、遺伝子という設計図で親から引き継いだものだ。しかし、えらく複雑な色だよな。家の外壁の色選びのサンプルみたいに、体色を決める遺伝子がズラっとあるんだろうか?ここでちょっと両爬の色彩に関して触れておこう。

じゃ、今は昔の2002年7月24日にアップされたこの記事を見てみよう。あ、7月24日って俺の誕生日じゃん。んなこたーどーでもいーか。
この記事を読めばわかると思うが、両爬の色彩って実は単純に4種類の色素で作られているんだ。例えば「赤色色素+黒色色素=茶色」とか「青色色素+黄色色素=緑色」みたいにな。

つまり、遺伝子にも「黄色い色素を作る遺伝子」とか「赤色色素を作る遺伝子」みたいに、おそらく4種の遺伝子があるのだと考えられている。実は、よくわかっていないんだけども、実験的にはたぶん正しい。
だから赤色色素を作る遺伝子を持っていれば、体色が赤くなるみたいに、その遺伝子によって表現される形質を表現型と言うんだ。
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