コバルトツリーモニターの基本知識
コバルトツリーモニターの基本知識
学 名:Varanus macraei別 名:アオホソオオトカゲ、コバルトモニター英 名:Blue Tree Monitor, Cobalt Tree Monitorなど分 布:ニューギニア島西部にあるバタンタ島全長:100cm前後 体長35cm前後2001年に新種記載され、世界中の爬虫類ファンのド肝を抜いた非常に美しいモニターです。
本種はインドネシアのバタンタ島にのみ生息しています。バタンタ島はちょうど日本の種子島と同じくらいの大きさで、しかも種子島同様に細長い島です。最高の標高は1200m程度ですので、やや山がちな島と言えます。真珠の養殖なども行われているようで、とりたてて「秘境」というイメージではないようですが、本種自体が発見されたのは、おそらく1998年前後であると考えられています。1998年に緑色をしたエメラルドツリーモニターの色彩変異ということで紹介をされたことがあるようです。
ご存じのように、黒色地に青色のスポットが多数入り、首のところではV字型に並びます。特に頭部では目のあたりから先は青一色になり、他のどの爬虫類と見間違うことがない特徴的で、美しい体色をしています。
流通当初は、生息地も隠されていたような状態であり、ほとんど生態はよくわかっていませんが、他のツリーモニターと同様の生活をしていると思われます。つまり樹上性で、さまざまな昆虫類や爬虫類、鳥などを食べていると思われます。
繁殖についても、残念ながら私の力では情報を探し出すことはできませんでしたが、おそらく商品価値が非常に高いということで、現地でのファームなどでFHが比較的コンスタントに得られているようです。また一部ではCBもあると言われています。
極端に小さな個体などは見かけませんので、おそらく近縁種のエメラルドツリーモニターなどと同じような繁殖生態と予測できます。
本種のデビュー時のショックに関しては、さすがにあらためてここで触れるような必要はないかもしれませんが、とにかくこれほど「青い」爬虫類がいるということ自体が驚きです。なにせ、ここまで青い爬虫類なんて今までいなかったわけですから。しかもこれほどの大きさのものが、21世紀になるまで発見されなかったという事実も驚きでした。
当時は、ほとんど外国の生き物に興味がなかった私でしたが、さすがにこれを見て、さらに思ったほど高価ではなかったため、購入を考えたほどでしたから。
もちろん、初めて流通した時は、驚くほどの高価でしたが、現在はかなり手頃な価格で落ち着いて、夢のような種類ではなくなりました。しかし、分布も限られていますので、いつ厳重な保護の対象になるかもしれません。なかなか難しいことですが国内でCB化ができると素晴らしいことだと思います。
生き物の形態というのは、必ず何らかの意味があって、それが彼らが生き延びるために何らかの有利点があるはずなんですよね。一体、この青さが彼らの野生での生活に、どんな風に役立っているのか、想像するだけで楽しいし、想像以上の事実が隠されているのかもしれません。そんな生き物を、現在では飼育ケージに入れて自分だけのモノにすることができる。スゴイことですよね。
しかし一体、日本全国に「青龍」と名付けられたコバルトツリーモニターが何匹いるんだろう...
CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
コバルトツリーモニターの知識まとめ
- 本当の「青い」トカゲ
- インドネシアのバタンタ島という島にのみ生息
- あまり生態等はわかっていない
- 樹上性
- 飼育は比較的容易
- 驚くほど高価ではない
コバルトツリーモニターの飼育方法
飼育の基本情報 飼育容器 底面積150cm×80cmクラス以上の飼育施設が必要。立体活動も行うので高さも十分に。さらに通気性も重要。 温度 基本は26℃程度。ホットスポット下は50℃前後で設置。容器下にフィルムヒーターを敷く。ケージ内に温度勾配を作ること。 照明 爬虫類用の紫外線灯やバスキングランプが必須。できれば直射日光で日光浴をさせる。 床材 ヤシガラ土など、多少湿度を保持できる素材を厚めに敷く 容器内レイアウト 止まり木になるような太めの枝を一本だけ斜めに立てかける。水にはあまり入らないので、水容器は小さめでよい 餌 コオロギを中心にウズラ、マウスなどを少量。ただしマウスなどは食わない個体も多い。栄養添加剤は必須 基本的な世話 樹上性オオトカゲ類の飼育に準ずる- 多湿を好むので、定期的に霧吹きをする。
- 幼体時は低温は厳禁。
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