ギザミネヘビクビガメの基本情報
写真提供:Herptile Lovers
学 名:Hydromedusa tectifera別 名:アルゼンチンヘビクビガメ、ナンベイヘビクビガメ英 名:Argentine Snake-necked Turtle, South American Snake-necked Turtle分 布:南米(ブラジル南東部、パラグアイ東部、アルゼンチン北東部、ウルグアイ)甲長:最大30cm
日本で比較的多く流通していた南米を代表するヘビクビガメです。
背甲に比較的強く発達したキール(稜線)があり、ゴツゴツあるいはデコボコした印象なので、この名前がつけられています。ただし成長した、特に野生個体は背甲のキールは摩耗するのかなめらかになっていることが多いようです。
背甲は暗褐色ですが、腹甲は黄色で斑紋等はありません。頭部から頚部は目の後ろから頚部にまで伸びる暗褐色のラインによって染め分けられており、背中側が灰褐色からオリーブ色、腹面側はクリーム色になっています。
生息環境は、流れが緩やかで底床が軟らかい川や湖沼などの植物がよく繁茂した場所です。特にブラックウォーターと呼ばれる暗褐色の水になっている場所を好むそうです。また、分布域の南部では気温が低くなる冬期に水底で冬眠を行う個体群も確認されています。
肉食性で、野生では巻き貝、水生昆虫、魚類、両生類などを食べています。また飼育下では肉類、昆虫類、エビ、キャットフードなどを食べた記録があります。
春に1クラッチあたり4個までの卵を産み、合計で14卵まで産んだ記録があります。卵は24.4-34×20mmで、孵化した幼体の甲長は30mmだったそうです。
以前から南米のヘビクビガメの中ではもっともポピュラーで、WC個体を中心に流通していたようですが、近年はCBのベビーが中心になったため流通量は少なくなっているそうです。
背甲のゴツゴツ感や頚部のトゲトゲ感は、私なんかはカッコイイと思うのですが、やはり曲頸好きの方たちはつるんとしている方がイイみたいなんですね。
低温に比較的強く、冬眠も可能ということで周年の屋外飼育が可能という点も見逃せません。なんかちょっと私好み。
ただし、人工飼料に餌付きにくいことと、背甲がキズに弱く皮膚病になったり潰瘍になったりしやすい面があるそうなので、飼育は必ずしも易しいとは言えないようです。
- かつてはナンベイヘビクビ、アルゼンチンヘビクビと呼ばれていた
- 南米のヘビクビとしては国内での比較的流通量は多い
- 低温に強く、関東以南ならば周年の屋外飼育が可能
- 最近はCBベビーが中心の流通で、流通量は減っているらしい
- 人工飼料に餌付きにくい
ギザミネヘビクビガメの飼育方法
飼育容器60~90cmクラスの水槽や衣装ケースなど
温度
特に必要ないが、25℃程度に保温をした方がいい
照明
紫外線入りのバスキングランプが必要
ろ過
できれば、外部式フィルターと上部フィルター
床材(底砂)
サンゴ砂などはアルカリ性に傾くので不可
容器内レイアウト
泳げるくらい水深は深くてよい。陸場は流木を利用する。流木は水中にも組むこと
餌
配合飼料を食うのならば、配合飼料でよい。メダカやアカムシなどから餌付ける
基本的な世話
- 換水は週に一度、3分の2程度
- 2週に1回は全換水
- 全換水時にブラックウォーターを利用
- 週に1度、強制的に乾燥させ甲羅干しをする
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