セレベスリクガメの基本情報
写真提供:aLive
学 名:Indotestudo forstenii 別 名:トラバンコアリクガメ(別種とされる場合もある)英 名:Forsten's Tortoise, Celebes Tortoise 分 布:インドネシア(スラウェシ島、ハルマヘラ島)、トラバンコアリクガメとしてインド南西部甲 長:30cm
インドネシアのスラウェシ島とハルマヘラ島に生息するインドリクガメIndotestudo 属の1種です。一般的にはインドネシアの個体群と遠く離れたインド南西部の個体群は同種でトラバンコアリクガメまたはセレベスリクガメとされ、スラウェシ島の個体群は人為分布とされるます。しかし、それぞれの個体群を独立種として、インドネシアの個体群をセレベスリクガメIndotestudo forstenii 、インドの個体群をトラバンコアリクガメI. travancorica とすることも多いようです。特にIUCNではレッドリストにインドの個体群をVU(絶滅危惧危急種)にリストアップする際に「トラバンコアリクガメI. travancorica 」として独立種として扱っています。形態上の区別点等はよくわからないのですが、どちらにしても流通するのはインドネシア産の個体群ですので、上の写真は「セレベスリクガメI. forstenii 」ということで間違いないでしょう。
背甲は黄褐色地に大きな黒斑がありドーム状ですが、頂点は平たく同属のエロンガータリクガメに似ています。エロンガータリクガメには項甲板(背甲前縁部の真ん中にある小さな甲板)がない、あるいは小さいのですが本種はそれが発達して前方に突出するというのが一般的な区別点です。また各甲板の暗色部が本種の方が大きい、などでも区別されますが、成長段階や個体差などでこれらの判別は不明確で、見分けるのは難しいようです。幼体の背甲は周縁部が棘状に尖っています。
頭部は黄色みが強く褐色からオレンジ色の小班点が散在します。
標高1000mほどの森林に生息し、林床のリッター層や岩場、倒木の陰などで生活しています。
キノコ類を中心に植物を食っておりタケノコなども食っているようです。
10-3月にかけてメスは1年に数クラッチにわけて産卵されると考えられ、1クラッチで1-7個の卵を産みます。卵の大きさは40-58×31-44mmで、140日以上をかけて孵化します。孵化した幼体は甲長が55mm程度だそうです。
生態や外見は、他のリクガメと大きく異なり、非常に個性的な種類と言えます。それほど大きくもならないし、比較的CBも出回っているのですが、やはりWC個体が多く見られます。本種に限りませんがWC個体は寄生虫を多く持っており、環境が合わないとあっという間に衰弱してしまう種類でもあります。
ヤマガメみたいでなかなか魅力的な種なのですが、飼育開始後の立ち上げがやや難しいということで、とりあえず飼育は「やや難」と。
CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
赤っ恥をかかない程度の知識
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セレベスリクガメの飼育方法
飼育容器幼体は60~120cmクラス以上の水槽や衣装ケースなど。通気性の確保ができるものがよい。水槽は背の低い「ランチュウケース」がベター。最終的には室内外での放し飼い
温度
やや高めを維持する。25℃程度を最低温度として、ホットスポットを準備してケージ内に温度の勾配を作る。
照明
紫外線入りの爬虫類用蛍光灯など
床材
必ずしも保湿性のある物である必要はない
容器内レイアウト
水入れは、体を入れて浸かることができる大型のものを常設
餌
野菜や果物とともに市販のリクガメフードなどを組み合わせる
基本的な世話
一般的なリクガメ飼育であるが
- やや高めの湿度を保つために毎日、散水を行う
- 冬期は保温をする
- 18℃以下にはしない
- それ以外は一般のリクガメ飼育の通り
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