ソメワケササクレヤモリの基本情報
ソメワケササクレヤモリの基本情報と飼育方法
学 名:Paroedura picta別 名:-英 名:Madagascar Ground Gecko, Ocelot Gecko, Malagasy Fat Tailed Gecko, Panther Gecko分 布:マダガスカル西部から南部全 長:13-16cm
小型ヤモリにあるまじき旺盛な繁殖力とそれを利用した豊富なバリエーションで一世を風靡したと言っても過言ではない地表性のヤモリです。
頭部は比較的大きく、指下薄板が発達せず一見細い指をしています。体色や斑紋のパターンはバラエティに富んでおり、基本的には暗褐色から黄褐色色の地色に黒色の小さな斑紋が散在し明色のバンドがあります。一方で後頭部から尾の先端まで太いストライプが走るタイプもありますし、写真の個体のようなあまり斑紋がハッキリとしないタイプも見られます。さらにアルビノや黄色が強いザンティック、ハイポなどさまざまな色彩の系統も作出され固定されています。
やや乾燥した草原や森林で生活し、夜行性で昼間は岩の割れ目や木の下などに隠れています。基本的に肉食性で昆虫などの小動物を食べています。
非常に繁殖力が旺盛で、1クラッチで卵殻が固い2個の卵を産むことは他のヤモリの仲間と同じですが、1シーズンに多いときでは10クラッチ以上産む個体も珍しくありません。卵は温度によって孵化するまでの期間に差がありますが、おおむね28-30℃で50-60日程度で孵化します。孵化した幼体は体長が27mm程度、全長は50mm程度で成体よりも明色部分が多くコントラストが鮮やかです。
最も飼育の初級者に勧めることができる爬虫類と言えます。飼育も容易で、繁殖も特別なテクニックを要しません。一方で、あまりに産卵数が多いためメス親の健康の維持、とりわけカルシウム分の十分な摂取をしなくてはいけない、など「何となく」繁殖ができるわけではなく、「コレコレ、こういった理由があるので、こういうことをする必要がある」という、飼育に対する基本的な姿勢も学ぶことができる生き物であることも初級者の方に勧めることができる理由と言えるでしょう。
たくさんの個体が流通するようになったため、一時期ほどの人気はありませんが、美しい品種の作出などの可能性もまだまだ残されており、これからも注目をされていくヤモリと言えるでしょう。
この旺盛な繁殖力を利用すればシロマダラとか爬虫類食いのヘビの餌用にできるのではないかなどと罰当たりなことを、当時考えてしまったのは何を隠そうこの私です。
赤っ恥をかかない程度の知識
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ソメワケササクレヤモリの飼育方法
飼育容器床面積の広いプラケース。通気性は確保する
温度
フィルムヒーターでケース下から保温する。低温部と高温部ができるようにする
照明
特に必要なし
床材
特に必要ない。炭酸カルシウム粉末などを撒いておいたりカルシウム分を摂取できるような床材を利用するとよい
容器内レイアウト
個体数以上の数のシェルターが必須。水入れは常設しなくてもよい
餌
コオロギやミールワームなどの昆虫。カルシウム剤などの添加は必須
基本的な世話
いわゆる乾燥系地表性ヤモリの飼育方法
- 一日に一回霧吹きを行う
- トカゲモドキ類と異なり指下薄板が小さいながらもあるため脱走しないように通気性が確保できるフタをしっかりとする
- など
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