ホオジロクロガメの基本情報
写真提供:aLive
学 名:Siebenrockiella crassicollis別 名:-英 名:Black marsh turtle分 布:ベトナム南部、カンボジア、ミャンマー、マレーシア、インドネシア、シンガポール甲 長:最大20cm
ちょっとと言うかかなり地味な東南アジアのカメですが、ビバリウムガイドファンの方ならお馴染みですね。以前冨水明氏が読者に「動物を飼うことの苦労」を投げかけた、その例となって有名になったカメでもあります。
基本的に背甲、四肢、頭部背面は黒褐色から黒色で、特に幼体時は名前からわかるように頬と後頭部に白からクリーム色の斑紋があります。腹甲も黒いのですが、各甲板は白い地色に黒い放射状の模様が入るような個体も見られます。
さまざまな水環境に生息していますが、流れが緩やかで水生植物が多い場所などによく見られるようです。水生傾向が強く水底の泥の中を徘徊しているような行動をとっており、あまり日光浴をしている姿は観察されていません。
ほぼ肉食中心ですが、野生下では植物も多少は食べていることがわかっています。
マレーシアでの記録では4月から7月にかけて1-2個の卵を産むようです。一方、飼育下では通年(4月-7月が最盛期)、52×28 mmの大きさの卵を1個ずつ産んだ記録があります。卵は29-30℃で68-84日かかって孵化に至ります。ただし25℃では115日ほどかかるようです。孵化した幼体は甲長が43-46mm程度の大きさです。
かつては地味なので「安いカメ」という印象が強く、大量に輸入され扱いも悪かったようですが、CITESのII類になったことが原因か、あるいは前述のビバガへの登場がきっかけになったからか、次第に注目を浴び、現在は流通量も少なく大切にされているようです。
初心者向きのカメではあるようですが、それでも低温と皮膚が弱いことでやや飼育にはテクニックがいるようです。
本種は幸か不幸か、日本での流通の待遇が激変した最も顕著な例であるような気がします。変な言い方ですが、次はどんな生き物の待遇が激変するのでしょう?今はぞんざいな扱いを受けているけど、何かのきっかけで大切に扱われていく。全ての流通する生き物たちがそうなれば良いんですけど。
CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
赤っ恥をかかない程度の知識
- 東南アジアのカメ
- 流通量は少なくなっている
- 高温で飼育する
- ポイントさえおさえれば飼育はしやすい
- CBはほとんど流通していない
- 水生傾向が強い
ホオジロクロガメの飼育方法
飼育容器60cmクラス以上の水槽や衣装ケースなど
温度
低温に弱いため水中ヒーターなどで30-32℃に保温する
照明
フルスペクトルランプの蛍光灯などを使う。陸場にはホットスポットを設置する
床材(底砂)
特に必要はない
容器内レイアウト
やや水生傾向が強いので3分の1程度の陸場を設ける。水深は甲長程度 餌 肉食性が強いが、食べれば配合飼料でよい
基本的な世話
いわゆる半水生ガメの飼育法ポイントは
- 高温で飼育する
- 比較的丈夫で飼育はしやすい
- 水質の悪化に注意
- など
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