レッドリストに掲載されらどうなる?

さて、もう少しレッドリストについて予備知識を身につけていきましょう。

日本国内で、野生の生物、特に両爬の保護に関して耳にする法律や関連事項は概ね以下のものがあります。
  1. レッドリスト(レッドデータブック)
  2. 種の保存法
  3. 天然記念物(文化財保護法)
  4. CITES(ワシントン条約)
  5. 各都道府県の野生動植物保護条例

実は、ちょっと意外に思われるかもしれませんが、この中で法的な拘束力があるのは「種の保存法」と「天然記念物」および「野生動植物保護条例」だけです。
※CITESは附属書I に掲載された種類のみ「国際希少野生動植物」ということになって「種の保存法」で保護の対象になる。

つまり、レッドリストに掲載されたからと言って法的に飼育や採集、捕獲が制限されるわけではありません。

これでは意味がないと感じるかもしれませんが、レッドリストはあくまでも現状の把握と啓蒙が最大の目的であり、極端な言い方をすれば警鐘であります。
ただし、各都道府県のレッドリストは公共工事などをするときの参考にはされるように開発等へのブレーキにはなっているようです。
何よりも「罰則」などがなくても、野生の動植物の保護に関心を向けたり意識を持つことの大切さを私たちが気づくことが重要なことでしょう。

2006年の改訂

さて、それでは今回のレッドリストの改訂では、どんな変更があったのでしょう。
環境省版2006年レッドリストでは、爬虫類31種・両生類21種が以下の8つのカテゴリーに分けられて掲載されています。※便宜上「亜種」も1種として数えています。
  1. 絶滅(EX)・・・なし
  2. 野生絶滅(EW)・・・なし
  3. 絶滅危惧IA類(CR)・・・爬虫類3種・両生類1種
  4. 絶滅危惧IB類(EN)・・・爬虫類10種・両生類9種
  5. 絶滅危惧II類(VU)・・・爬虫類18種・両生類11種
  6. 準絶滅危惧(NT)・・・爬虫類17種・両生類14種
  7. 情報不足(DD)・・・爬虫類5種・両生類1種
  8. 絶滅のおそれのある地域個体群(LP)・・・爬虫類3種・両生類なし

それぞれのカテゴリーには、その定義や基準があるのですが、ここではそれは割愛します。
詳しく知りたい方は環境省の資料(PDF形式)をどうぞ。

それでは、それぞれのカテゴリーの一覧と簡単な解説をしてみましょう。
なお、それぞれの表の中でオレンジ色になっている種は、今回の改訂によってカテゴリーのレベルが上がってしまった、あるいは新しくレッドリストに掲載されてしまった種、つまり現在の旧レッドリストが発表された平成9年よりも状況が悪化してしまった、と見なすことができる種です。

絶滅危惧IA類

もっとも絶滅のおそれが危惧されるグループです。
・爬虫類
キクザトサワヘビイヘヤトカゲモドキクメトカゲモドキ

リンク先を見ていただければだいたいわかると思いますが、キクザトサワヘビは沖縄の久米島のごく一部の渓流にしか生息していないヘビです。サワガニを食べており、ほとんど水中で生活する小さなヘビです。
懐かしい写真...
クメトカゲモドキ

イヘヤトカゲモドキは沖縄の伊平屋島、クメトカゲモドキは久米島だけに生息する地表性のヤモリです。
つまり3種とも、非常に生息地が限られています。しかも渓流や沢の周辺で生活していますので、環境の悪化によって大変なダメージを受けてしまいます。
残念ながら沖縄の離島は、例外なく開発が進んでいて照葉樹林の伐採や道路の造成が非常に多く行われていますので、このままでは絶滅は免れないと思います。
もちろん3種とも沖縄県指定の天然記念物です。
この中でクメトカゲモドキは、以前私が久米島へ行ったときは比較的見ることができたのですが、今回の改訂ではレベルアップしてしまいました。

・両生類
アベサンショウウオ

アベサンショウウオは京都、福井、兵庫のごく限られた場所にしか生息していない止水性のサンショウウオです。止水性サンショウウオは産卵場所となる良好な環境の湿地が不可欠ですが、本種の産卵地のほとんどが住宅地などに隣接していてそこが開発されてしまえば、ほぼ壊滅状態になり絶滅していきます。現にいくつかの生息地では絶滅が確認されています。