グリーンパイソン"アルー"の基本情報
グリーンパイソン"アルー"の基本情報
言わずと知れた、ペットパイソンを代表する美しいニシキヘビです。本種は産地によって体色などに特徴があるため、特に海外では産地ごとにコレクションされています。国内でも最近は産地を表示することが多く品種のような扱いになっています。写真の個体はインドネシアのアルー諸島産です。
種としての一般的な形態の特徴に関してはほとんど説明不要ですが、体色は鮮やかな緑色をしており背中線上に白いストライプが入っています。アルー産はこのような基本の体色の上に青い色をした小さなブロッチが散在しており、特に口唇部と頭部に多いのが特徴とされています。他のボアやパイソンのようにピット(温熱感知器官)を持ちますが、本種は上顎の前部と下顎の後半部にあり、よく似ている南米のエメラルドツリーボアと区別できます。また幼蛇は全身が赤褐色または黄色であり、別種のように見えます。ただし生後半年程度で成体と同じように緑色になっていきます。
生活環境は熱帯雨林や竹林などで、ほぼ完全に樹上性で上の写真のように木の枝に独特のとぐろを巻いてじっとしています。主に樹上の鳥類や小動物、トカゲなどを餌にしていますが、とぐろを巻いているときに尾をぶら下げて細かく振ることで餌をおびき寄せる行動(ルアリング)を行うと考えられています。
野生下での繁殖の知見はほとんどありませんが、CB化も進んでおり、飼育下での繁殖の情報は多いようです。メスは交尾後20-24日ほどで産卵をします。1クラッチで6-30卵を産み、メスは卵をとぐろで抱いて細かく体を動かすことで体温を上げ卵を保温することが知られています。卵は45-52日ほどで孵化をします。孵化した幼体は28-35cmです。
非常に美しく個性的なヘビで人気がありますが、飼育していると昼間はほとんど動かないそうなので飽きっぽい方にはすすめられません。ただ、やはりいかにも熱帯雨林のヘビという雰囲気は魅力的ではあります。WCの成体は餌付きにくいので、できればCBあるいはFHの幼蛇から飼育するとよさそうです。
CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
グリーンパイソン"アルー"の飼育方法
飼育の基本情報
〈飼育容器〉
樹上性のレイアウトをする必要があるので床面積よりも高さと通気性を重視する
〈温度〉
いつもとぐろを巻いている止まり木の高さの背面にシートヒーターを貼り付ける。それ以外にホットスポットを32℃くらいにし、その他の場所は最低26℃程度に。夜間は24~27℃程度に保温する
〈照明〉
ホットスポットのみ
〈床材〉
幼蛇の頃はやや多湿を好むので水苔などを敷くと良いが、成長したら何でも良い
〈容器内レイアウト〉
ケース内に水平に設置した止まり木が必要。できればケースの側面にネジ等で固定した方がよい。全身が入り倒されない大きさの水容器を設置する
〈餌〉
大きさに合わせたマウス・ラット。冷凍を解凍したものでよい。マウスを食わない場合はウズラやトカゲから餌付ける
〈基本的な世話〉
- 幼体時はやや高温多湿にする
- 水は毎日交換する
- 大きすぎる餌による吐き戻しに注意する
など
※「飼育の基本情報」は海外サイトおよび「大蛇世界(マリン企画)」を参考にしました。
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