単為生殖の狙い
もちろんコモドオオトカゲは通常は両性生殖を行うことが確認されています。ところが、今回の例のようにオスがいない環境でメスを生活させると単為生殖を行うものと考えられます。
これはおそらく分布域を広げるための苦肉の策だったのではないかと考えられます。
例えば、メス親が生活の場を広げるために海を渡ってコモドオオトカゲがいない島にたどり着いたとしましょう。
もちろんオスはいません。
そこでメスは単為生殖を行い、オスだけを産みます。
生まれたオスが成熟して繁殖可能になったときにメス親と交尾をして両性生殖を行う。
つまり子どもが自分の母親と交尾を行って子孫を殖やしていくという驚くべきシステムです。
ただし、これでは遺伝的な多様性を作ることができませんので、種としての繁栄には不利と言えますが。
何にしろ仮説ですから、私たちが想像もつかないような真実があるのかもしれません。
だって、コモドオオトカゲが単為生殖をする、なんて驚くべき真実があったのですから。
やっぱり、両爬の世界なんて、まだまだまだまだまだまだまだ...わからないことだらけです。やめられませんよね。
とにかく単為生殖がコモドオオトカゲだけでなく、他のモニターにも可能であるならば、メスだけしか飼育していないそこのあなたの家のモニターも突然、発生可能な卵を産むかもしれませんよ...
しかし、今回の研究を発表したチームの科学者たちって、絶対に狙ってましたよね。発表時期を。よりによって単為生殖のネタをクリスマス直前に発表するなんて。
われわれ両爬ファンにとっては、文字通りのクリスマスプレゼントでした!