過去にもあったビッグな単為生殖

ところがいろいろ調べてみると、予測できなかったことでは無かったようなんです。

実は、1996年にこれに似たような事例があったのです。
なんとドイツで飼育されていたグールドモニターが単為生殖をしたということが事実があったのです。
さらに日本の動物園でもミズオオトカゲで、その可能性が指摘されるような例があるようです。
また、これは未確認情報なんですがアジアの大蛇・ビルマニシキヘビもその例があるという話も飛び交っています。

もしかすると、意外に単為生殖をすることができる爬虫類って多いのかもしれませんね。

さて、次にちょっと難しいのですが単為生殖の仕組みのお話をしましょう。

両性生殖と単為生殖

さて今回のニュースの中で、結構いろいろな人たち(私も含めて)の頭を悩ませたのが以下の事実です。
単為生殖で生まれたコモドオオトカゲの子はすべてオス

どういうことかというと、先述した現在知られている単為生殖を行う爬虫類は基本的にメス個体ばかりが生まれてきます。これは、簡単に言うとこれらの種類が行う単為生殖はメス親が自分の細胞から子を作る「クローン」だからです。
ですから、今回のコモドオオトカゲが「子がオスばかり」というのは、極めて異質な感じなんです。

そもそも生き物が子を殖やすというのはどういうことなのか、から簡単に説明しましょう。いや、私って高校の理科の教員ですから。

生き物が子を産んで子孫を殖やしていくことを「生殖」といいます。
この生殖には、性がまったく関係しない「単為生殖」と、異なる二つの性が必要な「両性生殖」の2種類があります。
どのような形式でも単為生殖は、遺伝子が一様なものになってしまうので環境への適応とかの面で、種として反映がのぞめなくなってしまいます。
そこで少しでも多様性を持たせるために他の個体の遺伝子を取り入れるようにした生殖が両性生殖です。わかりやすい言い方をすると、メスはより強い子を産むためにオスから強い遺伝子を手に入れようとする生殖方法が両性生殖と言えるでしょう。もちろん私たち人間は両性生殖ですね。

減数分裂

両性生殖の特徴は「減数分裂」という細胞分裂によって「配偶子(精子や卵)」を作ることです。
生物は必ず遺伝子を持っているのですが、この遺伝子は細胞の中にある「染色体」に存在します。この染色体の数は生き物の種類によって決まっていて、例えば人間の場合は全部で46本あります。

生殖をして子どもを作るためにはオスの配偶子である精子とメスの配偶子であるが合体しなくてはいけません。これを受精と呼びます。
もしも私たち人間の精子や卵が親と同じ数、つまり46本の染色体を持っていたら受精してできた子どもの染色体は父親(オス)から46本、母親(メス)から46本で合計92本になってしまいます。
そこで精子や卵といった配偶子は染色体の数が半分(人間の場合は23本)になっているのです。このように染色体の数を半減させて配偶子を作る細胞分裂を減数分裂というのです。
この減数分裂が性の決定に関わっています。