グランディスヒルヤモリの基本情報
撮影協力:DINODON
学 名:Phelsuma madagascariensis grandis別 名:グランディスオオヒルヤモリ、マダガスカルヒルヤモリ英 名:Madagascar Giant Day Gecko分 布:マダガスカル北東部、アメリカ(フロリダ、ハワイに帰化集団)全 長:28cm前後 最大30cm
マダガスカルに非常に多くの種類が分布しているヒルヤモリPhelsuma 属の最大種です。ヒルヤモリの仲間は種類も非常に多く、何よりも非常に美しい体色で欧米では昔から大変人気があるヤモリです。また、名前の通り昼行性であり飼育しても楽しい種類です。
本種はヒルヤモリの仲間の最大の種で、以下の4(または6)亜種に分けられています。亜種を確実に見分けるのは難しいのですが、一般に背面の赤い斑紋と鼻孔から目を通る赤いラインの入り方で見当がつくようです。
- Phelsuma madagascariensis madagascariensis マダガスカルヒルヤモリ・・・マダガスカル島東海岸地帯・・・22cmほどで鼻孔から走る赤いラインは首筋に到達
- P. m. grandis グランディスヒルヤモリ・・・マダガスカル島北部・・・30cmほどになる。赤いラインは目より後ろに入らない
- P. m. kochi コーチ(?)ヒルヤモリ・・・マダガスカル島北西部・・・28cmほど。赤いラインはグランディスに似る。背面の赤いスポットが不規則に散在することで区別する
- P. m. boehmei ボエミーヒルヤモリ・・・東部のペリネ周辺・・・22cm程度。全身にバンド上に連続した赤い斑紋がある
- P. m. martensi マルテ(?)ヒルヤモリ
- P. m. venusta ベヌスタ(?)ヒルヤモリ
本亜種は写真の個体のように、全身が明るい緑色で、鼻の先から目まで赤いラインが走り、背面の後半に5-6対程度の赤いスポットが並んでいます。特に成体のメスは首の部分にカルシウムを蓄えるため、大きくふくらんでいることもあります。
基本的に森林などで樹上生活を送っていますが、日本のヤモリ同様に住居周辺にも住みついていて「住家性ヤモリ」と見ることができます。昼行性で、主に昆虫類を食べていますが果実などをなめることも多いようです。オスは非常にテリトリー意識が強く、激しい闘争を行います。
繁殖期は11-3月の間で、メスはこの間に1クラッチあたり2個の卵を6回程度産みます。卵は枯葉の下などに産み付けられることが多いようです。28℃で60-65日程度で孵化し、幼体は70mm程度です。
ヒルヤモリの仲間は、私がミドリガメ以外で初めて飼育した外国産の爬虫類で、今でも大好きな仲間です。何よりも美しい体色と飼育繁殖が比較的容易ですので、ガンガン繁殖させてCBを流通させて欲しいものなんですけどねぇ...なぜか日本ではイマイチの人気なんです。
CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
グランディスヒルヤモリの飼育方法
飼育容器高さがあり、かつ通気性がよい飼育ケース
温度
28℃前後
照明
ホットスポットと紫外線を発する爬虫類用ランプ
床材
ヤシガラ土などを薄めに敷く
容器内レイアウト
観葉植物や木の枝、流木などを立体的に設置
餌
コオロギなどの昆虫、果実のペーストやベビーフードなど
基本的な世話
いわゆる樹上性・住家性ヤモリの飼育方法
- 立体活動ができるようにする
- 水入れは設置した方がよい
- 一日に一回は霧吹きをする
- やや多湿を好む
- 大型で動きが早いので取扱に注意する
- 皮膚が弱いので、強くつかまない
- オスは攻撃性が強いので複数飼育はできるだけ避ける
- など
【関連記事】