爬虫類・両生類/爬虫類・両生類関連の法律

危険動物飼育許可(前編)(3ページ目)

ネタ作りのためだけじゃないんですが、特定危険動物の飼育許可の申請を行なってみました。その一連の流れをドキュメントでご紹介です。で、問題の危険動物とは...?

執筆者:星野 一三雄

次の難関?

6月5日に家主さんからの許可証をいただき、保健所へ。何回目や...

保健所の係の方「星野さん...大変、申し上げにくいんですが...」
俺「まだ、何かあんのーーーーー!????」
保健所の係の方「いや、大したことではないんですけどね。『申請者が(中略)該当しないことを説明する書類』に証明書がいるんですよ。」
俺「いや、俺は刑法犯でもないし、動物愛護法違反者でもないから。」
保健所の係の方「実は宮崎県は条例で、申請者は『精神の機能の障害又は麻薬、大麻、あへん若しくは覚醒剤による中毒』がないことが条件なんですよ。」
俺「....(絶句)」
保健所の係の方「ですから、このための添付書類として『履歴書』と『医師の診断書』を提出して下さい。」
俺「....はい。」

おいおい、履歴書なんて書いてるの職場に知られたら誤解が生まれるかもしれないじゃんかよ...
で、履歴書も書いて翌日に行きつけの病院へ。
大麻とか覚醒剤とか、どんな検査するのかな...ちょっと不安だけど、なんか好奇心がむくむくと起きあがります。
ところが...

お医者様「この証明書ですね。わかりました。」
俺「よろしくお願いします。」
お医者様「それでは検査を始めます。」
俺「はい。」
お医者様「星野さんは今まで、精神の機能の障害があると診断されたことがありますか?」
俺「いいえ。」
お医者様「それでは、現在大麻、あへん、覚醒剤を使用していますか?」
俺「いいえ。使っていたらこんなトコにいないでしょ。」
お医者様「はい。わかりました。以上です。」
俺「へ?」

なんと、問診だけ。これには驚きました。まさにムダ。しかし、これがこの手の診断書の出し方なのかと思うと、ちょっとコワイです。とにかく診断書を受け取ることができましたので、書類はすべて揃ったはずです。翌日の6月6日に保健所に提出しました。

保健所でも、これですべての書類が揃ったはずである、ということでいよいよ次の段階である飼育施設の検査の段取りです。
つまり、保健所の方が実際に家に来て、飼育施設が申請書通りのモノであり、飼育に耐えられる強度等を有しているかを調べるわけです。基本的には、申請者の都合の良い日にしてもらえるのですが、時間は夕方5時までにして欲しいとのこと。いや、こっちも勤務時間内だし...結局6月12日の午後に仕事を早退して施設を検査に来てもらうことにしました。

検査

いよいよ検査当日です。
前日にしっかりと掃除をしてどこを見られてもいいようにしておきました。完璧。
約束の時間に保健所の方が来られたのですが、総勢3名。
たぶん部屋に入って、ネズミの臭いにひるんだだろうけど、向こうも仕事ですからガマンしていたんでしょうね。ご苦労様でした。

簡単に部屋の間取り図と水槽の位置を確認して、さらに水槽の大きさをメジャーで測りました。自慢の手製の網ブタも強度があるこということでおっけー。施錠の様子も確認してガンガン写真を撮って、だいたい10分程度で終了。
300円くらいのカギですフタが開かないように施錠している様子

保健所の方「施設はこれで良いと思います。これで許可証が出せますので、ワニを注文しても良いですよ。」
俺「(やったー!!!)はい。ありがとうございます。」
保健所の方「ところで星野さん。他の生き物たちはどちらに?」
俺「(うぇ。...見るの?)え、あ、隣の部屋に。」
保健所の方「見せてもらっても良いですか?いや、ちょっと見てみたいだけです。」

というわけで、興味本位で隣の飼育部屋へのふすまを開けてみなさんを中へご招待。
中は夥しい数のケージ群と150匹を越えるヘビやらトカゲやらヤモリやらカメやら...
保健所の方も、呆気にとられていました。はい。

とにかく検査もパスして、ようやくワニを注文しました。

条件付き許可

検査から3日後に保健所に行って晴れて許可証を手にすることができました。それが以下の画像です。
なんだよ、知事からの許可じゃなくて保健所長かよ
ヨウスコウワニの"飼養等の許可"クリックすると拡大画像が表示されます


ところがよく見てみましょう。下の方に書いてあります。読みにくいでしょうけど。
実はこの許可証、「条件付き」飼育許可なんです。
とは言っても大したことはないんですが、要するに次の更新までの5年間の間にワニが全長100cmを越えたならば、改めて大きい飼育施設にして許可を取れ、ということなのです。
もちろん大きくなる前に、次の飼育施設のことは具体的に考えていますので心配はないのですが、保健所も結構先のことをきちんと考えているんだな、と関心しました。

あとは「危険動物を飼育している旨を示した標識を作成して掲示」しなくてはいけません。これは保健所の方でフォーマットが用意されていましたので、それを利用して作ります。
内容は
・許可年月日
・許可番号
・許可の有効期間
・危険動物の種類名

を書いたモノなのですが、大きさが問題。30cm×25cm以上ですから、今あなたが見ているPCのモニターよりでかいですよ。こんなんドアのところにぶら下げておいた日にゃ...でも、招かれざる客除けにはなるかも。ドアの下の方にでもぶら下げておこう...

とにかく何にしても、これで次の5年間、あるいは全長100cmを越えるまでは、我が家のヨウスコウワニは合法的飼育をしているというお墨付きをもらうことができたわけです。
しかし、これで終わったわけではありません。飼育を開始してから一ヶ月の間に個体識別措置つまりマイクロチップの埋め込みを行わなくてはいけません。

次回は「マイクロチップの埋め込み」をご紹介します!

<参考サイト>
環境省

<おすすめINDEX>
必須法律知識

<ガイド記事>
動物愛護法改正(後編) 特定危険動物
特定外来生物法 Part14 飼育許可をGET!!
飼育の許可申請
法律条約関係データベース 特定(危険)動物指定種リスト
【編集部おすすめの購入サイト】
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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