爬虫類・両生類/爬虫類・両生類関連の法律

動物愛護法改正(後編) 特定危険動物

いよいよ「改正愛護法」の施行まで2週間あまりとなりました。今回は「特定危険動物」に関して解説してみました。

執筆者:星野 一三雄

※お詫びと訂正・・・記事アップ当初は「特定動物」に「カミツキガメ」を入れてしまっていましたが、最終的に「カミツキガメ」は「特定動物」からは外されました。これは「特定外来生物」に指定されており、二重指定になってしまうからです。訂正し、お詫び申し上げます。

全国の両爬ファンのみなさん、コンニチハ!

いよいよ平成18年6月1日の施行日まで二週間あまりとなりました「改正動物愛護法(動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律)」に関する話題の後編です。

改正動物愛護法に関する記事の前編はこちら。

今回は目玉の1つでもある「特定危険動物」に関して、解説いたしましょう。

もちろん今回も、おなじみS'hei's Homepageで、勉強して書いております。感謝。

特定危険動物

さて、まず「特定危険動物」とは何か?
「特定危険動物」は法律第一条の「動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止する」という目的を受けて、第二十六条で「人の生命、身体及び財産に害を加えるおそれがある動物」と定義付けられた動物です。
※条文中では正確には「特定動物」となっていますが、ここではわかりやすいように「特定危険動物」とさせていただきます。

さて、特定危険動物に指定されるとどうなるかというと、要するに飼育をする時に都道府県知事の許可を受けなくてはいけなくなります。無許可で飼育をすると「六月以下の懲役または五十万円以下の罰金」という罰則が適用されてしまいます。

では、この特定危険動物に関して、今回の改正では具体的にどのような点が変わったのでしょうか。

改正点

具体的には以下の3点と考えていいでしょう。
  1. マイクロチップ埋め込みによる個体識別が義務づけられた。

  2. 特定危険動物の指定種と飼育基準が全国統一となった。

  3. 具体的な罰則ができた

ここでは1.と2.に特に注目して解説していきます。

マイクロチップによる個体識別

2.で特定危険動物と指定された種類の動物を飼育するためには個体識別、つまりその動物はどこの誰が飼育しているのかを明らかにして、その動物の責任の所在をハッキリとさせなくてはいけなくなりました。そして、その具体的方法として「マイクロチップ」の埋め込みが義務づけられました。
マイクロチップは 直径2mm程度、長さ12mm程度の円筒形をした小さな機械です。その機械の中に、15桁のコード番号が記憶されていて、それがその個体のいわばID番号となって登録されることになります。

マイクロチップは獣医師の手によって動物の皮下に埋め込みまれます。埋め込まれたマイクロチップは少なくとも30年程度はその機能を保ち続けます。また体内で場所が移動しないように工夫されているため、その場所に専用の読みとり機械(マイクロチップ・リーダー)を当てることによって、その個体のコード番号を読みとることができます。

マイクロチップに関しては、All Aboutネコサイトに詳しくてわかりやすい記事がありますのでどうぞ。↓
マイクロチップってどんなもの?

このマイクロチップは、もちろん埋め込む場所が決まっていて、爬虫類の場合は以下のようになっています。
  • カミツキガメ科・・・左後肢皮下

  • ドクトカゲ・オオトカゲ科・・・左鼠径部(左足の付け根の内側)皮下

  • ヘビの仲間・・・総排泄孔よりも前の左体側皮下

  • ワニの仲間・・・左前方後頭部皮下

ただし、以下に示す大きさに満たない個体はマイクロチップの埋め込みはしなくても構いません。もちろん、その大きさになったら埋め込まなくてはいけませんが。
  • カミツキガメ科・・・甲長15cm

  • ドクトカゲ・オオトカゲ科およびワニの仲間・・・全長30cm

  • ヘビの仲間・・・全長50cm

もちろん、これは絶対に必要なことであって、危険動物だけではなく家庭で飼育されている動物たち一般に、可能な限り普及させたいことなんですが、ワニやら毒ヘビたちやらにマイクロチップを埋め込まなくてはいけない獣医師の先生方たちは、本当にご苦労様です。十分に気をつけて埋め込み作業に取り組んでいただきたいと思います。
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