爬虫類ケージを自作する! 衣装ケース改

爬虫類ケージを自作

爬虫類ケージを自作

全国の両爬ファンの皆さん、コンニチハ!

今回は、ときどき相談を受ける「自作衣装ケース改造飼育ケース」の作り方をご紹介しましょう。
   

衣装ケース改とは

衣装ケース改造飼育ケース(以下「衣装ケース改」)は、今から8年くらい前に某ヘビのMLで紹介された作成方法を参考にして、自分でいくつか作ったヘビ飼育用の簡易ケースです。
現在は10個程度を使用しています。
現役バリバリで使っている小汚いのしかなくて...
星野作:衣装ケース改・弐号機
 

衣装ケース改の長所

私の個人的な考え方ですが、衣装ケース改は良いことずくめじゃないかなー、って思っています。

長所1:安い
ま、そもそものきっかけがコレだったんですが、もとが衣装ケースだから安価です。ホームセンターとかに行けば、70cmくらいの以上ケースが500円前後で購入できます。
あとはさまざまな工具とパーツを準備すれば、同じくらいのパフォーマンスを持つ高級両爬専用飼育ケースから比べると相当な安価で作成することが可能です。

長所2:軽い
高級両爬専用飼育ケースは基本的にガラスでできていますので、実際は結構重たいケースです。衣装ケース改ならポリプロピレンですから、非常に軽いです。しかも持ち運ぶための手がかりも多いので、扱いやすいです。
さらにもともとが、押入などに積み重ねて収納する目的の商品ですから、積み重ねることもできます。

長所3:加工しやすい
ちょっとしたコツと慣れが必要ですが、非常に加工しやすいのも特長です。木製の自作ケージよりはかなり楽に作れると思います。

長所4:大きい
長所1とかぶりますが、安価に流通している規定の大きさが70cm程度ですから両爬飼育ケースとしては90cmに匹敵すると言っても過言ではないでしょう。ナミヘビならば2m強くらいまでの個体を十分飼育できます。

長所5:使わないときにかさばらない
ホームセンターで売られているときに、フタを外していくつも重ねてあります。ですから衣装ケース改も、作成するときにその点を考慮して作れば、使わないときにいくつも重ねてしまっておけます。高級両爬飼育専用ケースではこうはいきません。

と、良いトコを列挙してみましたが、所詮安普請。欠点だって結構あります。

短所1:熱に弱い
ポリプロピレンは100℃前後で軟化が始まる低融点が最大の欠点です。ですから両爬飼育では必須の保温に十分注意しなくてはいけません。特にホットスポットの設置は熟慮して事故を防ぐ工夫が必要になります。

短所2:接着剤がない
基本的にポリプロピレンには、優れた接着剤がありません。ですから、作成するときはネジで留めるなどの手間がかかります。

短所3:見た目が悪い
安普請なんだからしょーがねーでしょ、これは...というか不透明な素材ですから、中の様子を見ることができません。観賞用には適さないということです。

短所4:すき間が多い
専用ケースではないので当然ですが、フタと本体の間にどうしても「すき間」ができます。ヘビ飼育では致命的な短所です。

短所5:側面が平らでない
これはわかりにくいと思うのですが、衣装ケースの側面は平らではありません。少しだけたわんでいます。これは後で述べる作成の時に決定的な面倒の原因になっています。これがなければもっと簡単に作れるのですが。

短所6:割れやすい
誤解のないように書きますが、これは決して使用中に割れやすい、というわけではありません。
作成作業中に、例えばドリルで穴を開けようとしたら割れる、とかそういう問題です。

以上、欠点をいくつか述べましたが、そこは私たち人間ですから、これらの欠点をクリアする方法を工夫して作成すればいいのです。
 

作成のポイント

さて、作る前に自分が「どのようなケースを作りたいか」を考えなくてはいけません。
そのポイントを考えてみましょう。

ポイント1:通気性の確保
爬虫類飼育ケースのキモとも言えるのがケージ内の通気性です。衣装ケース改の場合はフタや側面にドリルで小さな穴をたくさん開けるだけでも、多少の通気性は確保できますが、金網を張る方法が一番良いでしょう。
なぜかこの写真を撮った後に、体がかゆくなりました
フタです。真ん中をくりぬいて金網を張っています。

ポイント2:横からメンテナンスできる
よく言われることですが、両爬は上から覗かれたり、手を入れられたりすることを嫌がる場合が多いのです。ですから彼らの視点と同じ高さに近い、側面からメンテナンスできるようにします。そのためには「扉」を設置します。

ポイント3:なるべく横から観察できるようにする
衣装ケースは不透明な素材ですので、中の様子がわかりません。もちろん鑑賞することもできません。衣装ケース改では、少しでもその点を改良するために側面に窓を設置したり、扉を透明な素材にしたりします。
 

衣装ケースの選び方

さて、ではいよいよ衣装ケース改を作りますが、とりあえず衣装ケースを準備しなくては話になりません。
そこで、まずどんな衣装ケースを選べばよいかを考えてみましょう。

・衣装ケース
もっとも多く流通していて安価な70cm程度のサイズのモノを使います。通常は長幅74cm×短幅40cm×高さ32cm程度ですが、ときどき高さが低いモノがありますので注意しましょう。
選ぶ際のポイントがいくつかあります。

1.フタの形状に注意
というか、これが命です。
あとで述べますが、フタは真ん中をくりぬいて金網を張ります。この時にフタに凹凸がたくさんついているモノは非常に金網を張りにくい、というか張れません。
うまく言葉では表現しにくいのですが、金網を張るときに木枠を設置するのですが、この木枠を設置する幅がとれない凹凸がついているタイプのフタがあるのです。下の写真でご確認下さい。
ですから、なるべくフタが平らな部分が多い商品を選んで下さい。
いや、本当に汚い写真で恐縮です
左は木枠をつける部分が平らで「適」、右のタイプは木枠を取り付けたい場所に「凹み」があるから「不適」

2.コロがついていないタイプを選ぶ。
衣装ケースには、下面の四隅にコロ(車輪)がついているモノがあります。コロがついていると、ケースの内部の床面の四隅が平らでなくなってしまう場合があります。
平らでないといろいろ不都合が出てくるのですが、一番の不都合は掃除の時に、その部分の汚れが取りにくくなってしまいます。もちろんコロがついていても床面が平らな商品はありますが、とにかく床面が平らなものを選びましょう。

3.フタのロック部分がしっかりしているか
衣装ケースはフタと本体を固定して開かなくなるように工夫がしてあります。一般的には両端の取っ手の部分にロックを咬ませるようにしていますが、これがしっかりしたモノを選びます。

4.なるべく透明度が高いモノを選ぶ
衣装ケースの透明度は商品によってさまざまです。透明度が高いモノならば結構中の様子を観察することも可能です。
また透明度が高いと、材質が薄くなっているモノが多いようで、作成の時の手間が楽になります。

また衣装ケースよりもしっかりした作りのモノとして、横に梁がある「多目的収納ケース」があります。これもいいのですが、サイズが小さい、梁がじゃまになって扉を付けられない場合がある、価格が高いなどの欠点もあります。
 

その他の準備

その他に何を準備すればいいでしょう?
今回はすべて最初から揃えることを考えてみましょう。
それぞれの材料には、理由等をだらだらと書きましたが、実際に作り始めれば気づくことばかりですので、読むのがメンドーな方は必要な材料と数だけ読んでおいて下さい。

・金網・・・サイズに合わせて1枚
いろいろなタイプがあります。ホームセンター等で、必要なサイズを切り売りしています。
また外からの視界が悪くなりますが、植木鉢の底に敷くプラスチックのネットも切り売りしている場合があり、そちらの方が安いし、普通のハサミでも切ることができるため大変扱いやすいので一考の価値はあります。

・アクリル板・・・サイズに合わせて1枚
アクリル板は透明の板です。扉を設置するときに使います。自分の作りたい扉の大きさを決めてから、板の大きさを決めて購入します。後で理由は書きますが、扉の寸法よりも+5cmくらいの大きさの板を買います。つまり20cm×15cmの扉を設置するつもりならば25cm×20cmのサイズの板を購入します。
ただしアクリル板は非常に高いので、安価な塩化ビニール(塩ビ)板やポリエチレン板でもいいでしょう。
 
本文と矛盾してベニヤで作成
フタに木材とネジで金網をとりつけてある

 
・木材・・・長いモノ2個、短いモノ2個
フタには木枠を作って金網を設置します。これをしないと金網とフタの間にすき間ができてしまい、ヘビの場合はここから執拗に脱走を企てようとしてケガをすることがあるからです。フタに金網をはめる寸法の長さで幅が5cm程度、厚さは3-5mm程度の木をホームセンターで切ってもらうと良いでしょう。細いので自分で切るのがすごくメンドーです。木の材質は何でもいいのですが、ベニヤのような合板だとはがれたり、ささくれだったりして見た目も悪いし、生き物がケガをすることもあります。

・ネジとナット・・・50個づつくらい
フタに金網と木枠を設置するためと扉を設置するのにネジとナットを使います。ネジは頭の部分が平らな「十字穴付き皿小ネジ」タイプが適しています。頭の部分が丸く出っ張っている「なべ型」のネジの方が安価なのですが、扉の取り付け、特に「蝶つがい」の部分は出っ張ると開閉に支障をきたしますので、必ずこの部分には皿小ネジを使います。
ネジの径は2.5-3.0mmのものを使います。長さは意外に長いモノが必要になります。特に金網取り付けは「フタ素材」「金網」「木材」をいっぺんに止めますので15mm以上の長さは必要です。逆に扉の部分に使うネジの長さは短いモノを使います。
またネジの寸法に合った「リングワッシャ」「ナット」も必要です。
木材や衣装ケース素材は軟らかいので、ワッシャなしではネジを締めたときにめり込んでしまいます。
つまらない写真なのにナットの光具合が絶妙
左から順に「なべ型」「十字穴付き皿小ネジ」「ワッシャ」「ナット」

・蝶つがい・・・2個
ドアの開閉に「蝶つがい」が必要です。この時にドアを取り外せるように分離型の蝶つがいを使います。ドアは取り外しができると便利なので、蝶番も分離できるタイプのものがいいでしょう。
ガムテープは割れたところを補修した、ということで
上下に分離できるタイプの蝶つがい。これは上にずらしている様子
横の黄色いラインは、位置を決めたときに引いたモノです
上の写真の続きです。蝶つがいをキチンとはめました

・かんぬき・・・3個
ドアは「かんぬき」で開閉をコントロールします。
ところが衣装ケース側面の「たわみ」のために、どうしても「すき間」ができてしまいます。したがって、最低でもドア1枚に対して上下と右(または左)の合計3つのかんぬきが必要になります。
後ろの脱皮殻はロイヤルディアデムスネークのもの。結局買っちゃったよ...
三カ所のかんぬき。取り付け方に注目

・隙間テープ・・・4m以上
衣装ケースは本体とフタの間にすき間ができます。
このすき間はスポンジ製の「隙間テープ」で埋めます。本体の上辺に隙間テープを貼っておけば、ヘビでも脱走しません。
 

工具の準備

・電気ドリル
必須です。ネジ穴を開けるのに使います。ドリルの歯は別売りですので、ネジのサイズに合った径の歯を一緒に購入しましょう。
 
神の工具。これで300円強は安い
アクリルカッター

 
・アクリルカッター
これの発見が、私の衣装ケース改作りを飛躍的に向上させました。神の工具です。衣装ケース本体やアクリル板などをキレイに切ることができます。ただし、ほとんど「使い捨て」という認識を持ちましょう。

・ドライバー
ネジのサイズと種類にあったモノを。

・ラジオペンチ
ネジを締めるときにナットを固定するために使います。プライヤーでは狭いところで苦労しますので先の細いラジオペンチが良いでしょう。
 
神の工具その2
万能バサミ

 
・金網を切るハサミ
万能バサミのように、金属製のものを切ることができるハサミを利用します。金網をじょきじょき切ることができるのは気持ちの良いものです。

・曲尺
いわゆる物差しですが、大工さんが使うようなL字型の曲尺が便利です。衣装ケースが大きいのでなるべく大きいモノを。

・のこぎり
木枠用の木材をサイズに合わせて切るために使います。木材を購入するときに切ってもらえばいいのですが、最終的には微調整が必要になりますので、小さいモノで良いので準備しておきましょう。

・マジック
ドアの取り付けなどは正確にネジ穴を作らなくてはいけません。マジックで目印を。

・革手袋
金網を扱うときは必ず革手袋を使いましょう。でないと手が血まみれになってイライラします。

・少年雑誌
ドリルで穴を開けるときの下敷きに。

以上を揃えるのに、おそらく5000円以上はかかると思います。ただ、工具類は何度も使えますので、これから衣装ケース改を何度も作るだろうという方は、決して高いとは思わないでしょう。工具さえ揃えれば、材料費は2000円くらいでしょうから。
 

手順

それでは、いよいよ衣装ケース改を作りましょう。

手順1:フタに金網を取り付ける穴をくりぬく
前述したように、衣装ケースのフタには凹凸がありますので、木枠を取り付けることができるフラットな部分を残す形でフタをアクリルカッターでくりぬきます。曲尺を当てながら数回力を込めて引けば切れるでしょう。
この時にうっかり手を切ったり、床を傷つけたりしないように。
また、カッターで切るときに変な力をかけると衣装ケースが割れることがありますので慎重に。見た目を気にしなければ、多少割れてもいいんですが。

手順2:金網を切る
くりぬいたスペースよりも大きめに金網を切ります。

手順3:木材を切る
くりぬいたスペースに木枠をつけるときには、なるべく木材同士の間にすき間がないようにするために木材を切ります。
白い粉みたいに見えるのは...
木材同士をすき間がなるべくないようにしましょう。手順4で述べているように、木材から金網がはみ出てしまっている例でもあります。

手順4:金網と木材をフタに取り付ける
まず先に金網の一辺をフタに取り付けてから他の辺のドリルでの穴開けをします。
写真のように上から「フタ素材」「金網」「木材」の順になるようにあてがって、3ついっぺんにドリルで穴を開けます。
白い粉みたいに見えるのは...
上の方から「木材」「金網」「フタ」の順でネジで留めている

一カ所穴を開けたらそこにネジを通します。この時に衣装ケース側と木材側の両方にワッシャをかませます。
一カ所をネジで仮止めしたら、同様に他の場所もドリルで穴を開けてネジで留めます。
ネジで留める場所は長辺で4カ所、短辺で3カ所も留めれば十分です。
また、金網を取り付けるときに金網の端が木材からはみ出ないようにします。

手順5:扉用の穴を側面に作る
ここが思案のしどころです。
まず、下の写真を見て下さい。
しかし本っ当に汚い
ドアの上下と左側のアクリルの枠組みに注目

この写真でわかるように、扉の上下と横にアクリル板で枠組みをしています。
これはかんぬきを取り付けるときに、扉と外側の高さを合わせる必要があるからです。
したがって、この外枠部分の幅を3-4cmとると考えれば、30cm×20cm程度の大きさのアクリル板からは長辺30-4=26cm、短辺20-4×2=12cmの大きさの扉を作ることができます。

ということはそれを取り付けるために必要な衣装ケースの穴は長辺25cm程度、短辺10cm程度ということになります。
さらに扉の左右どちらかに蝶つがいを取り付けますので、その取り付け幅が必要です。取り付け幅が3cm程度必要ですから、穴は衣装ケースの端から5cm程度離す必要があります。
しかも、扉にかんぬきをつけるとかんぬきを留めるネジが内側に飛び出すことになりますので、その部分もあらかじめ切り取っておく必要があります。
とにかく、ここは作っている時に、考えに考え抜いて作りましょう。
左のように切っておけば、右のようにドアを閉めた時のネジの出っぱりが収納される

手順6:アクリル板を切る
手順5で説明したようにアクリル板を「扉本体」「高さ合わせ用外枠×3」の4パーツに切り分けます。アクリルカッターを使えば大した手間ではありません。

手順7:扉の外枠を取り付ける
高さ合わせ用の外枠を取り付けます。扉の寸法よりも1-2mm程度の余裕を持った位置に取り付けます。あまり寸法通りだと、扉の開け閉めがきつくなります。

手順8:蝶つがいとかんぬきを取り付ける
蝶つがいとかんぬきの取り付け方は、言葉では説明しにくいので、とにかく写真を参考にして下さい。どちらも使うときのことを想像しながら工夫をして、正確に位置を測りながら取り付けましょう。
左:蝶つがいの取り付けの様子 右:かんぬきの取り付けの様子

手順9:隙間テープを貼る
脱走防止用に必ず本体の上辺に隙間テープを貼りましょう。
意外にはがれないのです
隙間テープを貼った状態


以上で完成です。
慣れれば、すべて行うのに3時間もかからないと思います。

はじめての場合は失敗がつきものですが、とりあえずこれを読んでいただければ失敗の可能性を限りなく少なくすることができるはずです。

頑張って作って下さいね!
作り方で、何かわからないことなどがあれば、遠慮なくお尋ね下さい!

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