爬虫類・両生類/トカゲの飼い方

昼行性トカゲの魅力と飼育方法! 飼育初級者にもおすすめ

魅力がいっぱいの昼行性トカゲをはじめたい! そんな「はじめての昼行性トカゲ」にピッタリのトカゲをご紹介いたします! 「飼育しやすい」「ビジュアル的に満足できる」そして「トカゲ飼育の難しさ故の楽しさ」を飼育初級者の方でも満喫できます。

執筆者:星野 一三雄

昼行性トカゲの魅力と飼育方法は?

昼行性トカゲの魅力と飼育方法! 飼育初級者にもおすすめ

昼行性トカゲの魅力と飼育方法

今回は「昼行性トカゲ」がテーマです。
トカゲの仲間は、ビジュアル的にも最も爬虫類らしく、飼育欲をそそられます。しかし、紫外線や栄養、飼育スペースの問題など私たち飼育初級者が、その飼育を躊躇してしまう壁が存在しているのも事実です。少なくとも私はトカゲ飼育に対しては、そんな覚悟で臨んでいます。
そこで今回は、あくまでも「飼育しやすい」「ビジュアル的に満足できる」そして「トカゲ飼育の難しさ故の楽しさ」を飼育初級者の方でも満喫できるような種類をご紹介したいと思います。
今回の記事は、特にLizardMLの方に、ほとんどのアドバイスをいただきました。この場を借りて深く感謝いたします。
 
<目次>
 

昼行性トカゲの魅力と難しさ

おすすめのトカゲを紹介するために、昼行性トカゲのことにちょっと触れてみましょう。

前述したように、トカゲの最大の魅力は「爬虫類らしさ」でしょう。恐竜や怪獣をイメージしながらトカゲを見ている方も多いかもしれません。もちろん、ウルトラマンとゴジラの世代の私もその一人です。
一方で四本の足をもち、活発に動く姿と、ちょうどいい体の大きさはペットとしての哺乳類に通じるところもあります。そういう意味では両爬の中では最もペット的な飼育が期待できる生き物たちではあります。

ところが、昼行性のトカゲを飼育することは他の両爬と比べ難しい面があります。
簡単に考えると以下のような飼育のハードルをクリアしなくてはいけません。

・広い飼育スペース
・適正な紫外線
・栄養のバランスを考えた多様な餌
・好適な湿度の設定と維持
・最適な床材
・CB個体が少ない

少なくとも日本産のヘビやカベチョロ系ヤモリ、トカゲモドキ類、水棲カメを中心に飼育している私から見れば、日本産の昼行性トカゲたちは飼育の手間もエネルギーもかかり、飼育が失敗してしまう例も多いと感じてしまいます。

と言うことは飼育初級者向きの「はじめての昼行性トカゲ」向きのトカゲは、以上のような問題点をひとつでも多くクリアしている種である必要があります。

そこで今回紹介するのが、このトカゲです。
 

オニプレートトカゲ

オニプレートトカゲGerrhosaurus majorはアフリカ南西部に広く分布するヨロイトカゲ科の中型のトカゲです。全長は30~40cm程度でまさに大きすぎず、小さすぎずといったお手頃サイズ。何種類かの亜種がいるようですが、今回は特に亜種にはこだわらず紹介してみましょう。
◇とにかく丈夫
もちろん個体のストック状態や健康状態によりますが、飼育されている方々の話を聞く範囲では、丈夫なトカゲである、と。「強健」と言う言葉を使ってもいいくらいのようです。
他のトカゲのほど、様々なことに神経質にならなくてもいいようです。

◇穏和で馴れやすい
性格は穏和で、あまりバタバタせず、かみつくこともないようです。
サイズが大きすぎず、小さすぎずでペットとして扱いたくなるサイズですから、ハンドリングができるような穏和な性質は、それだけで魅力と言えるでしょう。
オニプレートトカゲは性格穏和

オニプレートトカゲは性格穏和

◇手頃な価格

気になるショップでの価格ですが、ある意味不当なくらい安価なトカゲであると言えます。だいたい5000~10000円くらいが相場です。まさに初級者にも優しい価格です。

◇トカゲらしいゴツさとかわいらしさ
ヨロイトカゲ科ですから、トカゲの最大の魅力である「爬虫類らしさ」は十分持っているトカゲです。ゴツゴツした感じやボリュームのある手足は太古の恐竜を彷彿できると言っても過言ではないでしょう。
一方で、つぶらで真っ黒な目の表情はハムスターなどの小型の哺乳類を思わせる愛らしさです。ビジュアル的にもペット爬虫類として十分な魅力を堪能できることでしょう。

◇トカゲ飼育の基本を押さえることができる
トカゲ飼育のミソであるケージの大きさ」「紫外線」「ホットスポット」「湿度管理」「床材の選定」あたりが必要ではありますが、それほど神経質でないトカゲです。ですから、このトカゲを飼育していくことが次以降のトカゲ飼育のスキルアップにつなげることができるでしょう。トカゲを飼育するためには、どんな設備をどのようにして使えばいいのか。そんなことをこのトカゲから学ぶことができるわけです。
 

プレートトカゲを飼う

さてそんなオニプレートトカゲはどんな飼育をすればよいのでしょう。
先述したように、まさに昼行性トカゲの基本をしっかりと押さえれば、その魅力を楽しめそうです。
ヘビやカメと異なりトカゲの場合は生息環境や種によって、大きく環境の設定が異なることが多いので、しっかりとそのトカゲの自然下での生態を知る必要があります。

◇生態
オニプレートトカゲはアフリカのサバナ気候区に生息しており、乾いた草原で生活しています。草原の中の岩の隙間や使われていないアリ塚などをすみかにしていて、昆虫や小さなトカゲのような小動物から、花や果実などの植物質のものまで、結構広い食性をもつトカゲです。卵生で一回に2~4卵を産むようです。

◇ケージ
一般にトカゲを飼育するには、ケージの一片がトカゲの全長の3倍程度は必要であると言われています。ですからもちろん広いケージであるに越したことはありませんが、オニプレートトカゲ自体がおっとりとした性格ですので、おおよそ全長の倍、つまり60~90cmのガラス水槽でよさそうです。

◇照明
昼行性のトカゲですから、強い紫外線が必要なはずなのですが、飼育をされている方々の話では、さほど気を遣っていないと言うから、よくわかりません。でもその生態を考えればホットスポットや紫外線はないよりはあった方が良いに決まっています。

◇温度管理
部屋暖房や温室の使用でケージ全体を最低で20℃ほどを維持し局所的にホットスポットで高温部、テープヒーターでおなかをあたためるような感じでよいでしょう。つまりこれもトカゲ飼育の基本を押さえればいいわけです。

◇湿度管理
生息環境が乾燥していますので、湿らせすぎはよくありません。床材に乾いた素材を使い、体全体が浸かれるような水容器を設置してあげます。

◇床材
彼らは床材を掘ることが大好きなので、素材は特に気にしなくとも十分な厚さで準備してあげましょう。

◇餌
コオロギを中心として、配合飼料まで食べるものは何でも与えてみるといいかもしれません。自然下では植物質も食べていますので、飼育下でも与えてみましょう。ピンセットや手から直接でも食うようになるようです。給餌頻度は週に2~3回程度で良さそうです。

さて、こんないいことずくめのオニプレートトカゲですが、最大の欠点があります。
それは「流通している個体のほとんどすべてがWC個体」であることです。分布域も広く、流通している量も自然下での生息を脅かすほどでもありませんので、捕獲圧によって個体数の激減が危ぶまれてはいませんが、やはりペットとして流通させるのならばCBである方が理想です。
オニプレートトカゲはペアを揃えることができたならば、繁殖も不可能ではないトカゲだそうです。ぜひ飼育を始めたら繁殖まで挑戦してみましょう。
また、いつもいつもショップに並んでいる種類でもありませんし、いくつかの亜種に分かれており、同じ亜種がいつ入ってくるかわからない心配もあります。気に入った個体を見つけることができて、状態がよかったならば、「即、買い!!」
と言うのも、このトカゲの特徴のようです。
 

昼行性トカゲのまとめ

「はじめての昼行性トカゲ」として庭にいるニホンカナヘビやニホントカゲの飼育も薦められますが、どちらも大きさが小さく、健康状態が悪くなると、手を施す前に死なせてしまう場合が多いため、初級者向けとは言えない、と私は個人的には思います。オニプレートトカゲのように丈夫で、比較的大きいために耐久性も強いトカゲを飼育することによって
「トカゲを飼うと言うことはどういうことなのか」
を理解してから、他のトカゲに挑戦してみてはどうでしょう。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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