ヤモリ・ゲッコーの魅力とは
ヤモリ・ゲッコーの魅力とは
先日、ふと私が家で飼育している生き物の種類と数を調べてみたのですが、意外にもその中で最も多かったのが「ヤモリの仲間」でした。(もちろん超マイナーな国産のヤモリの仲間ばかりですが...)
自分で言うのもなんですが、どうやら私って、ヤモリの仲間が一番得意みたいなんですね。
と言うわけで今回は「ヤモリの魅力」にCloseUp!!です。
ヤモリの生物学
これを読んでくれている方々の中には、まさかいないとは思いますが、ヤモリとイモリはよく間違えられてしまいます。「ヤモリ」は爬虫類、「イモリ」は両生類です。ヤモリは爬虫類の中のヘビ・トカゲの仲間「有鱗目」に属しています。分類に関する説はいろいろあるのですが、大体「ヤモリ科」とひとくくりになっています。また英語で「Gecko(ゲッコー)」と呼ばれることが多く、ショップなどでもよく使われる呼び方になっています。
ヤモリの仲間のほとんどは「まぶた」がないという特徴を持っています。また例外もありますが一般的にヤモリの仲間の多くは指先に「趾下薄板(指下板)」と呼ばれる器官を持っていて、それを使って垂直部分や天井などに逆さになって移動できます。ところが中には「まぶた」を持っていて、「趾下薄板」を持たず普通の指であるグループがあります。その仲間を「トカゲモドキ亜科」と呼びます
逆に趾下薄板を使って壁をうろちょろできるヤモリ達を私たちは「壁チョロ」などと呼んだりします。
夜型人間御用達!
さて、そんなヤモリたちの目を見てみましょう。瞳孔が縦長に開いていて、まるでネコの目のようです。つまり彼らの多くは「夜行性」なのです。爬虫類飼育で「夜行性」と言うのはそれだけでアドバンテージになります。昼行性種ほど光を必要としない、つまり「紫外線」のことで頭を悩ませる心配がないのです。もちろん、照明はないよりもあった方が良いのですが。また爬虫類には見ることができない色の照明(ナイトライト)などを利用して、部屋の照明を落とした中で彼らを観察し、一日の仕事で疲れ切った心を癒してくれるひとときを与えてくれるのも夜行性だからこそできることでしょう。
ただしヒルヤモリの仲間は昼行性ですのでお間違えのないよう!!
繁殖を狙おう!
ヤモリの仲間は、「飼育が簡単」と一言で片づけてはいけないのですが、昼行性トカゲやリクガメ、両生類あたりから比べれば飼育にかかる手間が少ないのは事実でしょう。ですから、その種の生態を理解し、ちゃんと基本を守り愛情を持って飼育すれば比較的繁殖も難しくない種が多いです。そのためCB(飼育下繁殖個体)が多いのも特徴です。
一般には
・繁殖前に十分な給餌をして栄養をつけておくこと
・季節の変化を再現すること
・メスには十分な量のカルシウムを与えること
あたりを注意すれば繁殖もうまく行きやすいようです。
ただでさえかわいい表情をしたヤモリたちですから、ぜひ孵化したてのベビーのカワイサにメロメロになっちゃって下さい!!
コレクション的な楽しみ方も
ヤモリの仲間の多くは20cm程度にしかなりません。ですから、比較的多くのケージを使って数多くの個体を飼育する事が可能です。そのためヤモリファンの中にはコレクション的に飼育している方も少なくありません。コレクションと言う表現が不適切ならば「様々な種の飼育・繁殖に挑戦」されています。例えばチビヤモリの仲間を集めたり、地表性種を集めたり、と。
またヒョウモントカゲモドキは様々な色彩の「品種」が昨出されていますので、多くの品種を集めてさらなる美しい色彩の個体を生み出そうとしている方もいらっしゃいます。殖やした個体を販売したり、交換することができるのも魅力かも?
給餌こそカワイイのピーク
ヤモリの仲間はほぼ「虫」を餌にしていると考えて良いでしょう。そのため、多くの種類は「コオロギ」「ミールワーム」など一般的にショップで並んでいる餌用昆虫とサプリメントで飼育可能です。中にはバナナなどのフルーツを食うものもいますが、主食はあくまでも昆虫です。ですから、あまり餌の入手や扱いに悩むことがありません。そんな彼らに餌を与える瞬間こそが彼らの「カワイイ」を感じる時です。
ケージ内に餌を放り込む。それに気づいて餌に近づく。尻尾をユラユラと揺らせながら照準を定める。さっと噛み付き餌を床や壁に叩きつける。弱った餌を飲み込んだその後に、彼らはにっこり笑って(?)、舌をぺろっと出して口の周りと目をなめる。この仕草がたまらなくカワイイのです!!
ゲッコーを愛するための注意
こんな魅力いっぱいのヤモリたちですが、注意しなければいけないことも当然あります。特に、脱皮不全や脱水を引き起こしかねない湿度の調節には十分注意しましょう。
また多頭飼いでは闘争が起こってしまうこともあります。WC個体では寄生虫やダニに冒されている個体が多いので注意が必要です。
メスが妊娠しているときにはカルシウムと水分の十分な補給、暖かく静かな環境を用意してあげないと、健全な卵を産めないだけでなくメス親の命を落とすこともあります。
ときどき聞く事故ですが、壁チョロ系では世話をしようと蓋を開けた瞬間に脱走!!さらに、あわてて蓋を閉めたことによって尻尾を自切!!などということもあるようです。
比較的飼育しやすく、繁殖が楽しめること。これがヤモリの魅力でしょう。その魅力を楽しむために、決して油断せず飼育を楽しみましょうね!!
<関連サイト>
ヤモリの飼育法
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