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10万円以内の「良品」を探せ LC-20D30(2ページ目)

薄型テレビも「リビングにドーン」ばかりから、一部屋に一台の時代に変わろうとしています。パーソナル需要にターゲットしたシャープの新製品D30シリーズから実売10万円以内の製品を見つけました。

大橋 伸太郎

執筆者:大橋 伸太郎

テレビガイド

明るさに余裕があり、個室、子供部屋、店頭と使用
環境を選ばない、「薄型アタリマエ時代」を象徴する製品

箱から取り出したLC-20D30-Rを今回はリビングに設置し、WOWOWを含むBSデジタル、地上デジタルを接続、その他にパナソニックのブルーレイレコーダーDMR-BW900とHDMIで接続しました。視聴環境は、日中がテレビ直上で300ルクス、夜間は白熱灯ダウンライトを絞り込み約50ルクスで視聴しました。

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ガイド宅のリビングに設置したLC-20D30-R。本体が軽く移動もラク。左右二十度ずつのスイーベル(首振り)機構があるのは便利。このサイズの場合、どうせならチルトも付けてほしかった


第一印象は非常に明るい液晶テレビということです。視聴に使ったリビングは日中非常に明るい部屋ですので、昼間は大歓迎ですが、夜BSの映画番組を見ようという時に、AVポジションの「映画モード」でもハイコントラスト過ぎます。皆さんの場合もまず、調整したほうがいいでしょう。

メニューの映像調整に入って驚きました。プレミアムタイプとほぼ同一のきめ細かな調整ができるのです。ちなみに、調整項目を列記していくと、

■明るさセンサー(入、表示あり、切)
■明るさ
■映像(コントラスト)
■黒レベル
■色の濃さ
■色あい
■画質(シャープネス)
■プロ設定
 カラーマネージメント(R/Y/G/C/B/M)
 色温度(高、中高、中、中低、低)
 QS駆動(クイックシュート~液晶のホールド効果による動きボケを低減)
 アクティブコントラスト
 I/P設定(動画寄り、静止画寄り~プログレッシブソースでは使えない)
 フィルムモード(DVDの24コマを検出)
 3次元ノイズリダクション
 3次元設定
 モノクロ
 明るさセンサー設定(センサー「入」時の可動範囲の上限と下限を設定する)

とこれだけあるのです。もちろんAQUOSの大画面上位機種のソフトをそのまま搭載すればいいのだし、あえて項目を減らす必要もないのですが、十万円以下のテレビでRGB/YBMのゲイン調整まで出来るのは驚きです。

何より色温度調整がこのクラスで一般的な低、中、高の3段階でなく5段階なのは「使える機能」です。映画を一本見るときの基本は色温度の選択から始まります。ハイコントラストな作品が増え、ドラマから3DCGアニメまで画質も多様化した現代の映画を見るには、色温度の微妙な設定が出来ることが必須です。

興味を惹かれたのはバックライトの明るさの手動調整がないこと。「明るさセンサー」の自動調整に任せてしまったわけです。他メーカーでは標準設定でバックライトを絞り、コントラストがMAX近くまで上がっていることが多いのですが、LC-20D30-Rの場合、デフォルト状態(出荷時標準状態)でコントラストに十分な余裕がありますので、バックライト調整はオートに任せたままで問題はありません。

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ちょっと分かりづらいが、番組表など映像の背景色をボディカラーに合わせてメニューの設定画面から選ぶことができる。「レッド系」を選べば、この通り、本体ベゼルとコーディネートが出来、見やすく室内での佇まいが上品になる


20V型というパネルサイズではフルハイビジョンの必要はないというのが私の持論(もちろん一般的な使用の範囲ではという意味。フルハイビジョンにすればやはり映像は変わる)で、LC-20D30-Rは、BSのハイビジョン番組からブルーレイディスクまで美しい映像が楽しめます。

映画ソフトは、ブルーレイディスクの最新作『ハリウッドランド』を視聴しました。映画ポジションを基本に、標準のままでは映像の明暗差が付きすぎるので明るさと映像を抑え、黒レベルをやや寝かせ(下げ)、色あいを赤寄りに微調整するだけで、1950年代のハリウッドを描いたこの映画と美学を存分に楽しむことができます。

映画だからといって、必ずしも色温度は「低」にこだわる必要はありません。現代の映画を見る場合、LC-20D30-Rでは「中低」の設定が非常に有効です。

画質全般で気が付いたことを敢えて言えば、「標準」ポジションのプリセット状態では、人肌の光が当たっている部分に色むらが出ます。先に書いたように、明るさと彩度が非常に上がっていますので、明るさと色の濃さを抑えていけばこれは消えます。

LC-20D30-Rは26V型以上に採用されている120Hzの倍速パネルが搭載されていません。これはオンにして使うのが必須です。HDMI入力が3系統に増えましたが、レコーダーからHDMIで入力した時の音量がTV放送を選んだ時に比べるとやや物足りません。

なお、CEC機能を搭載したパナソニックのブルーレイレコーダーDMR-DW900との間で連動ができるかも試してみました。リモコンの蓋の中のファミリンクボタンで、電源連動はもちろん、テレビのリモコンでパナソニックのレコーダーの操作パネルを画面に表示して動かすことが出来ます。しかし、シャープ同士の場合のように使いやすくはありません。

次のページでは、中小画面の薄型テレビのこれからについてお話します。
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