『自遊人』2007年の「日本の宿グランプリ 1万円代の定宿部門」で第1位、2008年にも同部門で2位に輝いた、野沢温泉にある『村のホテル 住吉屋』。宿の魅力は風情もさることながら、料理、温泉、接客…とすべてにバランスの取れた宿であること。四季ごとに訪れたい「定宿」をご紹介します。

"村のホテル”!?
目指すは、さりげないサービス


住吉屋 外観
『村のホテル 住吉屋』の創業は明治2年。漫画『のらくろ』の作者、田河水泡が定宿にしていたことでも知られる。
野沢温泉のシンボル、麻釜の前に建つ木造3階建ての宿が『村のホテル 住吉屋』。創業は明治2年。

“村のホテル”とあるが、公共の宿ではない。村のホテルという名は、40年以上昔、先代が箱根の宿へ勉強に行っていた際に、交流先から提案されたものだという。
「“昔ながらのべったりの接客ではなく、ホテルのようなさりげないサービスをしていきたい”と考えていた先代は「これはピッタリ!」と思ったようですね」と女将。

現在でこそ同じような話をよく聞くが、当時は“いたれり尽くせり”がアタリマエの時代。さまざまな紆余曲折があったことは容易に想像できるが、住吉屋はそのスタイルを変えることなく、時代にあわせて進化させてきた。


風情あふれるたたずまいで
温泉を満喫


住吉屋 温泉
野沢温泉は奈良時代に行基によって発見されたと言われる歴史のある温泉地。湯量は豊富で、住吉屋の風呂はもちろん源泉かけ流し。
住吉屋の立地は、野沢菜の菜洗い風景で有名な麻釜の目の前という、風情あふれるロケーション。約98度という高温の温泉が湧く麻釜からは湯気が立ち上り、温泉情緒も抜群。
しかも建物は明治32年築の木造三階建て、目の前の坂道は石畳。気分は盛り上がる。

もちろん館内の温泉は源泉かけ流し。けっして広くはないがタイル張りの内湯は清潔感にあふれ、ステンドグラスから差し込む光が美しい。片方の内湯の外には小さな小さな露天風呂も付いている(時間により男女交替制)。さらに野沢には13箇所の共同浴場があり、すべて入浴無料。浴衣に下駄で温泉めぐりも楽しい。


気になる夕食のメニューは…?次ページでご紹介します!