土用の丑を迎え、いよいよこれからが夏の盛り! と聞くと食べたくなるのが、そう、うなぎです。

しかも今回は、今ではほとんどお目にかかれなくなった、本物の“天然”うなぎの味を追い求める名店をずらりご紹介!

古くは万葉の時代から「夏バテにはウナギ」という記述があったというほど、歴史の深い鰻。紐解いていけば話は尽きませんが、今回は手始めに、関東近郊で味わえる天然うなぎを3回の連載でお送りいたします。

化政期創業の老舗『前川』に見る
天然と養殖の違い

天然うなぎ1
“うなぎ”の語源は“胸黄”との一説も。天然のウナギは腹が黄色く、背の色もやや緑がかっている。
天然うなぎと聞いてその味を思い出せるのは、40代後半以上の方だけではないだろうか。

うなぎの養殖が始まったのは明治12年(1879年)。以降、天然うなぎの漁獲量は減少を続け、今では滅多にお目にかかれない。

駒形橋のたもとに、江戸時代・化政期から店を構えるという『前川』は、東京でも希少な天然うなぎを味わえる店。昭和47年頃まで天然のみで営業していたが、数が揃わず養殖も使うようになった。

そんな『前川』で、天然と養殖、それぞれのうな重を作ってもらった。天然ものには当然ながら個体差があるが、共通しているのは、腹の色が黄色味を帯びていること。対する養殖は一様に腹が青白い。 うなぎ の語源には数説あるが、 胸黄 だという説にも納得だ。

裏に返せば一目瞭然。
腹が黄色の天然うなぎ

天然うなぎ うな重
前川で作ってもらった天然うなぎのうな重。やや小ぶりながら、天然ならではの風味はたっぷり。
■ 『前川』のうな重 天然 時価
写真のうな重に使用しているのは利根川産のうなぎ。本来、うな重にするには小ぶり過ぎるのだが、特別に作ってもらった。

写真のように裏を返して皮の色を見て欲しい。焼き色やタレで色は変わっているものの、腹の色がほのかに黄色い。生の状態(左の写真)だとよくわかるだろう。

天然が味わえるのは5月上旬~11月下旬で要予約。天然うなぎが食べられるのは1日に10~20食ほどだそう。
(※現在同メニューの提供は終了しております。)

天然と養殖ってそんなに違うもの? 次のページの養殖うなぎのうな重と比べてみると……。