山から湧き出る清水で育てた、
ホントに旨い自家用米
屋敷の裏には3反の田んぼが広がる。後ろに見えるのが巻機山(まきはたやま)。 |
そんな米処の中でも、特に水に恵まれた八海山麓に建っているのが『欅苑(けやきえん)』。築130年、元は庄屋という茅葺き屋根の大きな館。名前の由来でもある樹齢1500年のケヤキの大木が、母屋の横にずっしりと佇んでいる。
黒々と艶のある梁や大黒柱に見入りつつ、じっと料理を待った。屋敷のすぐ裏には田んぼが広がり、その向こうには、まだ雪の残る巻機山や八海山が見える。
近くの山で採れる山菜や、季節の野菜を使った料理は、もちろんすべて手作りだ。自然の恵みに丁寧に手を添える、といった印象の優しい料理の数々。そして、最後に出されるご飯は、裏の田んぼで収穫されるコシヒカリ。店頭に並ぶことのない、家族と、食事処に訪れる客のためだけに作られる米……。
「田んぼがあるからお米を作る、
ここでは当たり前のこと。」
(写真上)『のっぺい汁』は新潟の郷土料理。各家庭の味が代々受け継がれている。『欅苑』では貝柱で出汁をとり、人参や里芋など約8種類の野菜で煮る。 (写真中央)『菜の花の寒天寄せ』。菜の花の下に沈んでいるのはウルイ。 (写真下)自家用コシヒカリは、おもに味付けご飯になる。春は筍、夏は枝豆、秋にはキノコや栗、ムカゴなど。何杯でも食べたくなる! |
そのコシヒカリ、春から夏にかけては筍ご飯として登場する。一粒一粒がツヤツヤで、ふっくら。それでいて、噛めば噛むほどに口の中でモチモチと粘り、ふんわりとした筍の風味が、ご飯の甘みをいっそう引き立たせる。
「田んぼがあるからお米を作る、ここでは当たり前のこと。お米が美味しいのは、この地域が魚沼の中でも豊かな自然に恵まれているから。つまり田舎ってことです(笑)」
食物から元気をもらう。すっかり忘れていた感覚を、『欅苑』では取り戻すことができる。清々しい景色と空気、ツヤツヤのご飯に温かなおかず。これ以上のご馳走があるだろうか。
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