癒しの旅/東北の美食旅

どんな魚でも美味い?出雲崎・佐渡への旅(2ページ目)

炭火でじっくり時間をかけて焼く“浜焼”は冷蔵庫のなかった時代に考えられた保存食。そんな浜焼の店が5軒も残る出雲崎と北前船が造られていた街、佐渡・宿根木を訪ねる旅へ。

執筆者:岩佐 十良

小さな港に、驚くほどの魚種!
いよいよセリの始まりです


出雲崎港
漁業従事者の高齢化……とはいえ、港はまだまだ威勢の良い活気に溢れている。
 出雲崎で操業する船は11艘。30年前までは30艘以上あったというが、この港でも漁業従事者の高齢化は止まらないようだ。

各地で魚が獲れなくなったと言われているが、それ以前にあと10年もすると、獲る人がいなくなるかもしれない。これは魚好きには深刻な問題だ。

 15時になると荷捌き場には仲買や近所の人々が集まってくる。ここに出雲崎名物の浜焼を売る『石井鮮魚店』の主人もいた。炭火でじっくり焼いた浜焼は、冷蔵庫のない時代に保存食として生まれたという。

「今日はカレイとイカ、それにアナゴとタイとアジを仕入れるんだ。うちの浜焼は今でも炭火でじっくり、30分も焼くから、そりゃあ大変なんだよ」

対馬暖流も流れ込む、
佐渡海峡の豊かな恵み


のどぐろ
ノドグロ
正式名称はアカムツだが、ムツ科ではなくスズキ科。その名の通り口の中が黒い。新潟以南の日本海と房総半島、西大西洋などで水揚げされる。大きいものは1尾で1キロを超えるが、ほとんど漁獲はない。通常獲れる最大のものは30cmほど。塩焼き、煮付けが旨い。旬は10月から12月。脂がたっぷり乗っている。
 我々は、もうひとり、取材先の主人と待ち合わせをしていた。出雲崎きっての料理屋であり、宿屋でもある『割烹御宿 みよや』の主人である。

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