癒しの旅/九州の美食旅

切っても生きてる!? 佐賀・呼子のイカ!(2ページ目)

ヤリ、アオリ、スルメ、スミなど、日本近海には100~130種ほどの「イカ」が生息している。日本人にとっては身近な存在だが、呼子(佐賀)で食べるそれは格別の味わいだとか……。

執筆者:岩佐 十良

呼子のイカの味や「イカ」がなもの?

外観
呼子では、取材した「筑前屋旅館」はもちろん、ほとんどの料理屋が朝市で鮮魚と野菜を仕入れるそうだ

宿は呼子湾の港の反対側に建っていた。
客室からは港を一望。
木造3階建ての建物は昭和12年築だそうで、年季は入っているが、これはこれで“風情”というものだ。

そしてお待ちかねの夕食。客室には次々と料理が運ばれ、イカの活き造りが登場。
ウワサ通り、まだ生きている。表面の斑点模様が透明になったり、赤くなったり。
醤油を付けずにひとくち口に放り込むと、じんわり甘みが広がる。

なるほど。これは美味い。
イカは本来寝かせた方が旨み成分が出てくるはずだが、噛むと旨みと甘みがあふれてくる。
イカ料理
料理はどれも美味しく、イカの活き造りはもちろんだが、メジナの煮物がとくに美味しかった。ウニは10月上旬まで。季節によって魚は変わる

「どがんですか? 呼子のイカは」

主人が顔をのぞき込む。

「塩水で洗ってから刺身にすると甘みが引き立つとですよ」
「なぜ、福岡などの街で食べるイカの活き造りは、甘みがないんでしょう」
「イカはストレスに弱かけん、どがん大事に運んでも、弱ってしまう。イカに限らんでも、魚はストレスがかかると味がガクンと落ちるとですよね」

これが呼子のイカは別格と言われるらしい。
さて、その呼子のイカが本当に別格かどうかだが、答えはやっぱり「イカは全国どこでも美味しい」。
が、ここ筑前屋の魚料理は別格。やっぱり料理は場所ではなく人だなぁ、としみじみ感じる旅だった。
<DATA>■筑前屋旅館
ないかん
夕食だけでなく、鯛茶漬けの朝食も美味しかった。個人的には、醤油が無添加本醸造のものだったら、季節ごとに通ってしまいたいくらい

所在地:佐賀県唐津市呼子町殿の浦1659TEL:0955-82-3714 交通・アクセス:JR筑肥線唐津駅から「呼子」行きバスで終点下車。バス停から送迎あり(要予約)。 佐賀空港から国道34号、203号を経由して約2時間。福岡空港からは2時間10分地図:Yahoo!地図情報 HP: 筑前屋旅館料金:1泊2食12,600円~(休前日も同料金・1人旅不可)、食事休憩4,200円~チェックイン・アウト:15:00/10:00
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