岡本さんが愛した
もうひとつのもの

それは、下社の春宮の近くにある謎の石仏です。胴の部分に「万治3年」(1660年)という銘があるため、万治の石仏と呼ばれています。したがって、縄文時代の遺跡ではないのですが、これも、どことなく縄文的なインパクトを持つ不思議なオブジェです。
茂みの向こうに忽然とあらわれるモアイのようなオブジェ
●万治の石仏の場所はこちら

近くにある岡本さん直筆の石碑。味のある、素敵な文字です
岡本さんは、御柱祭のために諏訪を訪れた際にこれを発見し、「世界中を歩いているが、こんな面白いものは見たことがない」と大絶賛。以来、村人たちしか知らなかったこの石仏は全国的に有名になりました。わたしも、存在を知ってから10年間ほど、この石仏を見たい、見たいと願っていましたが、今回、やっと実現!

一見、仏様には見えませんが、印相を見ると、阿弥陀如来だとわかります。昔、春宮の鳥居を作るために、今は胴体に使われている巨石にノミを入れると、そこから血が噴出しました。これは霊が宿る石だとわかり、頭をつけ、阿弥陀如来として祀ったという伝説が残っているそうです。

長い間見たかったものに
やっと会えた

この方々のご協力で、わたしは万治の石仏の前に立つことができました
春宮から渓谷沿いの細い道を辿って行くと、茂みに囲まれた小さな畑があり、その向こうに、ふいにこの石仏の頭が見えます。そのときの感動を、わたしは忘れません。長いこと、「こんなヘンなものが本当にあるのか」と思っていたのですが、それが、このような、ごく普通の日常風景の中にあるとは、想像していませんでした。

人間、長く生きている間に、いろいろと「行ってみたい場所、見てみたいもの」ができます。その願いは積み重なるばかりで、なかなか実際に行くことはできませんが、今回は、とある素敵なご縁があって、地元の方にご案内いただくことができました。もともとは、この石仏がメインの目的で、諏訪大社そのものについてはよく知らなかったのに、縄文時代の面白さを発見できたことも大収穫でした。

あちこちで拝んでいる神様や仏様が、「あんたは相変わらず無知だが、次はここに行くと、新しい世界を見られるよ。この方と出会うと、次のご縁やテーマも見つかるよ」と取り計らってくださっている。そんな気がして、これからも、心のおもむくままに、神社と寺めぐりを続けていく所存です。

●テラタビスト吉田さらさは、このごろでは、ジンジャーと呼んで欲しいほど、神社と神様の面白さにハマっています。

威風堂々とした万治の石仏の横顔
これまでの神社関係の記事。
●古代へのミステリーツアー 諏訪大社前編
今回の記事に至る前のイントロダクションはこちらです。
●江の島の江島神社
天照大神と弟のスサノオの間に生まれた3人の美人神様の謎
●奈良 山の辺の道の石上神宮と大神神社
日本最古の官道沿いにある日本最古級の神社には謎がいっぱい。
●東京 御嶽山の御岳神社
天孫ニニギノミコトが面食いだったために起きた悲劇をテーマにしたお神楽が舞われる。

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