韓国では、
お釈迦様の誕生日は
国民の休日です

世界遺産海印寺でも、数々の仏教にまつわる行事が行われ、敬虔な仏教徒が集まります
韓国は儒教の国というイメージがあります。実際、一般人の生活の中には、儒教の風習が浸透しているようですが、それは、あくまで生活習慣ということで、それとは別に家ごとの宗教を持つ人が多いのも、韓国の特徴です。

キリスト教徒が多いのは有名ですが、実は仏教徒も多く、日本以上に、真剣にお寺参りをする人がたくさんいます。日本では「花祭り」と呼ばれるお釈迦様の誕生日は、韓国では祭日(国民の休日)になっており、「潅仏会」(かんぶつえ)と呼ばれて、あちこちで華やかなイベントが行われます。

日本の花祭りは4月8日ですが、韓国では旧暦を使うため、潅仏会は、5月に行われます。
今年(2008年)は、5月12日。その一週間ほど前から、ソウル市内でも、いろいろと行事が行われ、この時期に行く旅行者の目を楽しませてくれます。

行事のメインは燃灯祭り

日本の花祭りは、釈迦如来像に甘茶をかけて祝いますが、韓国の潅仏会のメインは「燃灯祭り」です。色とりどり、形もさまざまな提灯に火を灯し、お寺の境内や街に飾ったり、パレードをしたり。ちょっとねぶた祭りにも似た大型の提灯もあって、それはもう華やかで楽しそうです。若い人や外国人も参加し、賑やかに街を練り歩くこのイベントには、意外にも、たいへん長い歴史があります。
街では、華やかなパレードが行われます


お釈迦様の生前から
はじまった行事です

お釈迦様が霊鷲山(りょうじゅうせん)にいらっしゃるころのお話です。ある夜のこと、他の提灯はすべて消えてしまったのに、ナンタという貧しい女性がこの上ない願いと真心をこめて灯した提灯だけが、夜遅くまで最後まで明るく輝いていたのを見たお釈迦様が、 「この女性は燈供養の功徳で成仏するでしょう」 とおっしゃったという話があります。つまり、お釈迦様の生前から、提灯による供養があったということです。
ねぶた祭りに少し似た燃灯もくり出します

韓国では、新羅時代の8世紀から、提灯を灯して行列したという記録が残っています。その後の高麗時代には、仏教が国教として重んじられたため、このイベントは国家的なものとして、より大規模になりました。その次の朝鮮王朝時代になると、仏教は抑えられ、儒教が国の中心となりましたが、この行事は民俗行事として残り、年中行事として受け継がれて行きました。

現代では、1955年から曹渓寺を中心にして市内を巡る提灯行列が行われ、1975年より、この日が休日になりました。1996年からは、「燃灯祭り」という名称になり、次第に規模が大きく華やかなものとなり、今では、韓国を代表するお祭りのひとつとして定着しています。

●次のページは、韓国の潅仏会に参加し、百済時代の古い寺を巡るツアーのご案内です。このコースで行く寺は、まだ、日本ではあまり紹介されたことのないところばかり。めったに見られない珍しい仏像にも会えます。