寺・神社/東京の寺・神社

12月初旬まで楽しめる東京一の紅葉(2ページ目)

今年の秋も気温が高めで、東京の紅葉は12月初旬まで楽しめそうです。都心部のお勧めは、東京一の寺町である上野と谷中周辺。国立博物館で仏像を見て、その後、穴場のお寺めぐりを。

吉田 さらさ

執筆者:吉田 さらさ

寺・神社ガイド


寛永寺は、江戸の要でした

現在の上野公園一帯には、かつて、寛永寺という巨大な寺がありました。これは、徳川三代将軍の家光が、父のように慕っていた謎のお坊さん、天海僧正の意見に従って建てたもので、江戸の町から見て鬼門に当たる上野の山にあります。108歳まで生きたと言われる天海僧正は、風水に通じた人で、これ以外にも、江戸の町のデザインをいろいろ考えました。

●寛永寺と天海僧正についての詳しいお話は、こちらにもあります。
陰影礼讃!
もうひとつ陰影礼讃!


今の寛永寺は小さいけれど
紅葉と桜はものすごくゴージャス!

隆盛を誇った寛永寺は、幕末の上野戦争でほとんど燃えてしまい、今の寛永寺は、国立博物館から少し歩いたところの一角にある、小さなお寺です。いや、境内はそこそこに広いが、今の上野公園以上に広かった江戸時代と比べれば小さいということ。そこには今、根本中堂というお堂があります。これは、天海僧正が寛永寺を作る際にお手本にした京都の比叡山延暦寺の一番大切なお堂と同じ名前です。

しかし、このお堂は、昔からあったものではなく、川越の喜多院というお寺から移築されたものです。なぜ、はるばる川越からお堂が運ばれたか、それは、天海僧正に深い関係があります。天海僧正は、もともとその喜多院の住職さん。喜多院が焼けた際は、江戸城の一部を移築したほど有力なお寺です。そして、上野の寛永寺が焼けてしまったときには、喜多院が、その本堂を寛永寺にプレゼントしたのでした。

●川越の喜多院と天海僧正、徳川家光の関係をもっと知りたい方は、こちらをクリック。

イチョウのじゅうたん
車の上にも落ち葉が降り積もる


江戸時代より小さいとは言え、寛永寺は、やはり今でも威風堂々。とりわけイチョウが黄色く染まるこの季節と、春の桜の時期の素晴らしさは、一見の価値あり。平日なら、ほとんど人が来ないので、ゆっくり紅葉見物と写真撮影をしてくださいね。
あまりの輝きに、ただ唖然。自然はひたすら美しい


●寛永寺の場所はここです。

●寛永寺の見事な桜の写真も見たい方は、こちらをクリック! ●次のページは無数のお地蔵さんに埋め尽くされた浄名院。東京の真ん中とは思えないような、ものさびしい秋の風情がよいです。
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