ガイドさんを見つけよう
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信徒会館でボランティアガイドさんを探してください。山内昇さんは、真ん中の方です |
規模の大きな神社や寺を巡る際は、よほど事前に勉強していかないと、見所をきちんとチェックすることは難しいです。予備知識がない場合、ガイドさんの存在はたいへんありがたいものです。ここ、新勝寺では、「成田ボランティアガイドの会」という組織があり、地元を知り抜いたガイドさんたちが信徒会館という建物内にスタンバイしておられ、10時~15時までの間なら、無料でガイドをお願いできます。今日は、地元出身で、成田山が経営する私立成田高校の卒業生でもある山内昇さんにご案内いただきましょう。
仁王門の大提灯に注目しよう
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大提灯には、「魚がし」という文字があります |
平成20年は、成田山開基1070年に当たるため、その記念事業として、現在、総門を建設中。その次にある仁王門では、巨大な提灯に注目してください。「魚がし」という文字が読めますか?
これは、昭和43年に大本堂が落成した際に、東京の魚河岸が奉納したことを示すものです。ちなみに浅草寺の雷門の大提灯の底には、「松下電器」の名が刻まれています。松下幸之助さんは、浅草寺の再建の際に私財を投じられました。このように、神社仏閣は、それを信望する大金持ちや資金を持つ組織などに支えられて現在まで存続してきました。
なぜ、こんなにたくさんの亀が?
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なぜか亀がうじゃうじゃいる池 |
仁王門をくぐると橋があり、両脇が池になっています。覗いてみると、そこには、「うじゃじゃ」と音がしそうなほどたくさんの亀がいます。願をかけ、かなった人が、ここに亀を放つということです。また、両側にあるたくさんの石碑や、素晴らしい狛犬にもご注目ください。
きらびやかな三重塔
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三重塔の豪華な装飾をじっくりごらんください |
石段を上り詰めると、世にもカラフルできらびやかな三重の塔が目に飛び込んできます。一見、真新しい建物のように見えますが、18世紀初頭に建立されたものです。
日本の寺は古びた色をしているほどよいとされる風潮があるけれど、建てられた当時は、多くが、このように華やかに塗られていたので、実は、これが本来の姿です。特に江戸時代の建物は、日光東照宮を見てもわかるように、装飾の限りを尽くしたようなものが多いですね。権力を示すために、できるだけ派手にする必要があったのでしょう。
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これが獏です。うーん、遠すぎて、違いがよくわからない |
屋根の下には龍の彫刻が並んでいます。よくよく見ると、一番上の屋根の下にあるものだけが、龍でなくて獏です。獏は夢を食べると言われる動物ですが、なぜ、この三重塔に漠の彫刻があるかは、物知りボランティアの山内さんにもわからないようです。
回すだけでご利益いっぱい
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お経がぎっしり詰まった一切経蔵 |
これは一切経蔵と言って、ぐるぐると回すだけで、この中に収められた、一切経という長い長いお経のすべてを読んだと同じ功徳を得られるものです。チベットのお寺を紹介するテレビ番組などを見ると、人々が、マニ車という赤ちゃんのおもちゃのようなものを回す様子がよく映されますが、これは、そのマニ車の巨大版だと思ってください。
現在は、文化財保護のため、実際に回すことはできません。わたしは、他のお寺で、これと同じような大きさの一切経蔵を回したことがありますが、あまりにも重くて、一人ではとても回せませんでした。当然です。何しろこの巨大な経蔵の中には、四千~五千巻ものお経がぎっしり詰まっているのですからね。
巨大な大本堂
大本堂は、昭和43年に建てられた立派な建造物で、内部には、ご本尊の不動明王が祀られています。ここでは、一日に数回、御護摩祈祷が行われ、気軽に参拝することができます。
護摩祈祷とは何であるかなどについては、4月1日アップ予定の次の記事で詳しく説明しますが、ともかくわたしは、この護摩祈祷が大好きで、真言宗系の寺に行くたびに、よく参拝しています。なぜ好きかと言うと、派手でノリがよく、気分爽快になることと、実際に、ご利益があったと感じることが多いからです。これに参加した後は、多かれ少なかれ、必ずいいことがありました。ただ座っているだけでよいので、ぜひ、一度お試しくださいませ。
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大本堂で行われる大護摩に向かう僧侶 |
次のページではさらなる新勝寺の見所をご紹介します。