皇帝の神龍が守るあまりに美しい彩池 黄龍
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信じがたい形と色彩が展開する黄龍風景区の五彩池。観光客に立ち入りが許可されているのは写真のような遊歩道のみ
そのあまりに美しく不可思議な景色にチベットの人々が神を見た岷山(みんざん)山脈の秘境、黄龍(ファンロン:こうりゅう)。今回は中国の世界遺産「黄龍の景観と歴史地域」を紹介する。
4,000年の歴史を誇る黄龍の伝説
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前・中・後の3つの寺からなる黄龍寺の後寺
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斜面に黄色い石灰層が堆積した蓮台飛瀑。たしかに龍の鱗のようにも見える
まだ歴史がはじまる前、紀元前2,000年前後に栄えたという伝説の王朝、夏(か)。始祖である禹(う)は黄河の治水を成功させて世に認められた。
もともと黄龍の化身、あるいは黄河の化身であるともいわれる伝説の皇帝、禹。ついに夏王朝を立てた禹は、雪宝山の渓谷・黄龍を訪れて神を祀る霊廟を建てたという。その寺は時代時代に建て替えられたが現在も明の時代の黄龍寺が残っている。