世界遺産ってどれくらいあるの?
右はユネスコのシンボルにもなっているギリシアの世界遺産「アテネのアクロポリス」のパルテノン神殿
今回は世界遺産の数にまつわるお話を紹介する。
世界遺産総数と種別世界遺産数
2019年7月現在の世界遺産の数を見てみよう。- 世界遺産条締約国……193か国
- 締約国のうち世界遺産を持たない国……26か国
- 世界遺産総数……1121件
- 文化遺産……869件
- 自然遺産……213件
- 複合遺産……39件
- 危機遺産……53件
- 登録を抹消された世界遺産……2件
- 無形文化遺産……代表リスト429件、緊急保護リスト59件、ベスト・プラクティス20件
- 世界の記憶……427件
- 世界遺産……23件
- 世界遺産暫定リスト記載……7件
- 無形文化遺産……21件
- 世界の記憶……7件
さまざまな理由が考えられるが、最大の理由は、自然遺産は文化遺産に比べて範囲が広く保護が難しいという点にある。自然遺産はその資産(登録範囲)だけで生態系が維持できることを条件としているため(これを完全性という)、どうしても範囲が広くなってしまうのだ。
これに対して文化遺産は建築物や構築物1つから登録できるので、たとえば北京近郊に7件、奈良県に3件もの文化遺産があるように、狭い範囲で複数の文化遺産を登録することもできるのだ。保護という面でも範囲が狭いので比較的容易ということになる。
また、自然遺産は比較的途上国に多いが、政治状況や予算面・人材面から保護が進まないことなどもあげられるだろう。以下ではさらに切り口を変えて世界遺産を見てみよう。
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