生きているグレート・オーシャン・ロード
ロンドン・アーチ。この岩は陸とダブル・アーチでつながっていたが、現在一方のアーチが崩れて島になっている。©ビクトリア州政府観光局 |
ベイカーズ・オーブン(パン屋のかまど)。大きな岩や入り江にはそれぞれ個性的な名前がついている。 |
この辺りの大地の成分は多くがライム・ストーンという石灰岩層。海の底に積もった生物たちの遺骸が億単位の長い年月を経て岩になったものだ。岩は大地の地殻変動によって徐々に隆起して、やがてオセアニア大陸の一部を造り上げた。
この大地を、南極からもたらされる激しい海流と激しい風が洗い流すこと、2,000万年。岩は少しずつ少しずつ削られて、いまの形になった。
「ロンドン・アーチ」と呼ばれる岩がある。岩のまん中に洞窟のような穴が空いている不思議な岩だ。かつてこの岩は「ロンドン・ブリッジ」と呼ばれ、ダブル・アーチを描いて陸続きになっていた。
あるときカップルがダブル・アーチを通って現在のロンドン・アーチに渡った。振り返ると最初のアーチが崩れ落ち、ふたりは岩の上に取り残されてしまった。数時間後、ふたりは無事ヘリコプターで救出された。
岩は現在も波や風に浸食され、崩れ去る一方で、奇岩たちは新たに生み出されてもいる。地球はいまも呼吸し、鳴動している。
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