新コーナー「未来の世界遺産」では、世界遺産には登録されていないすばらしい場所を紹介する。メールマガジンの企画を移動させたもので、これまでにメルマガで紹介した場所も含め、写真を交えてお送りしよう。

第1回はナミビアの世界遺産暫定リスト記載のナミブ砂漠!

※2013年、ナミブ砂漠の一部が「ナミブ砂海」として世界遺産登録されたことに伴い、下記の記事を上げました。詳細はこちらを参照してください。


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Dune45
ナミブ砂漠のデューンのひとつ、Dune45。弧を描くデューンが連なって波となり、幾重にも重なる波が東へ東へと押し寄せる。

アプリコットの砂漠、ナミブ

Dune45を登る人々
横から見たDune45。観光客が峰を歩いているのがわかる。
40度を超えた昨日の熱気が嘘のように冷えた早朝、パーカーを着込んでDUNE45を登りはじめる。宇宙空間の中にいるのではないかと思われるほどの満天の星空が、少しずつ青へ、白へ、黄へとグラデートする。山頂で太陽を待っていると、グレーに折り重なっていたデューン(砂丘)が少しずつ色気を取り戻す。

太陽が出る。真横から射す陽光がデューンを照らすと、光が届かない反対側斜面の黒とあいまって、強烈なコントラストがなめらかな曲線美を浮かび上がらせる。女性の肌のようにデューンはみるみるうちに紅潮し、やがてアプリコットの艶やかな肢体を現す。

太陽の斜光が砂漠の凹凸に織り込まれていくと、生命がまったく感じられない死の砂漠に、ネズミのような小動物の足跡が浮かび上がる。山頂から大地を見渡すと、ダチョウやオリックスが駆け、鳥たちが空を飛ぶ。

ナミブ砂漠。世界一過酷でセクシーで、生命にあふれたデューン。

世界最古の砂漠の歴史と気候

南北2,000km、東西50~150kmほどの細長いこの砂漠の成立は、なんと5,000万~1億年前。恐竜の絶滅が6,500万年前と言われているから、ナミブの砂たちは恐竜すら見ていたことになる。年間降水量は20~50mm(東京は1,500mm)という超乾燥地帯で、場所によっては数百年も雨の跡がないという。砂漠特有の気候で、夏の最高気温は40度を超えるものの、冬の最低気温は氷点下にまで落ちる。

干上がった湖
干上がった湖。土中にはまだわずかに水が残っており、動物や昆虫は水を求めていまだここを訪れる。
高さ330mのソサスブレイをはじめとするデューンは世界最大級の高低差を誇ると言われ、砂丘の高さにかけてはサハラ砂漠にもこれほどのものはない。ナミブ砂漠のデューンの特徴はその色。砂が含む鉄分が霧と太陽光の影響で酸化して、赤味を帯びてアプリコットに妖しく光る。

デューンは毎年数メートル東へ移動している。やがてナミブ砂漠はカラハリ砂漠と接続し、南アフリカの広大な乾燥地帯を作り上げる。

ナミブ砂漠の生態系は次のページへ。