キング・オブ・自然遺産「ナミブ砂海」

デッドフレイからソススフレイを眺める

デッドフレイからソススフレイを眺める。土砂漠、礫砂漠から最大330mにもなるデューンがそそり立っている ©牧哲雄

ナミブ砂海は南北約320km、東西120kmを誇る広大な砂漠地帯で、7000万~1億年前に誕生した世界最古の砂漠のひとつ。特徴はアプリコット色の巨大なデューンで、高さ数百mを超えるデューン帯は世界最大規模を誇る。

また、ナミブ砂海は自然美・地形・生態系・生物多様性……4つある自然遺産登録基準のすべてをクリアした21件目のキング・オブ・自然遺産。今回はそんなナミビアの世界遺産「ナミブ砂海」を紹介する。

世界一セクシーな日の出、DUNE45

DUNE45の朝景色

DUNE45と呼ばれるデューンの朝景色。陽光を浴びた砂肌と日陰との強烈なコントラストが滑らかな稜線を際立たせている ©牧哲雄

日の出の美しい世界遺産はたくさんある。これまで記事で紹介したものでは、マチュピチュティカルで見た早朝風景は忘れがたい。でも、ナミブ砂海のDUNE45で見た朝日はどこよりもセクシーなものだった。

ナミブ砂海の日中はとにかく暑い。気温は40度以上、地表面はおそらく50度を超えているだろう。ところが夜はとても寒くて、日によっては氷点下にまで落ち込む。温度差は日によって40~50度にもなるのだという。でも、この冷たく澄んだ空気が満天の星空を演出する。

こちらもDUNE45

こちらも同じくDUNE45 ©牧哲雄

天空をふたつに分ける天の河には淀みがなく、白銀に輝くその流れは星々の集まりだとは到底思えない。宇宙のあちらこちらに浮かんでいるシミは星雲で、特に大・小マゼラン雲があまりに大きくて、雲がぽっかり浮かんでいるのかと勘違いしたほどだ。こんな星空を眺めていると、自分が宇宙の一員であることを感じてなんだかとても楽しくなる。

そして朝、DUNE45に登って日の出を待つ。空が白みはじめると折り重なったデューンが少しずつその姿を現して、朝焼けの赤と相まって次第に紅潮していく。

太陽が顔を出し、朝日がデューンを照りつけると影の部分は闇に落ち込み、日の当たる部分だけが炎のように燃え上がる。妖しく湾曲する稜線と火照った肢体は艶やかで、女体のようにセクシーだ。