今回の行き先は【山口】 復活した白亜の聖堂、山口サビエル記念聖堂 |
遠くヨーロッパから長い歳月をかけてインド・アジアを歴訪し、各地でキリスト教の布教に務めたフランシスコ・ザビエルは日本国内にも各地に名を残しています。
今回はフランシスコ・ザビエルの名前が残る名所の中から、山口にあるサビエル記念聖堂を紹介します。フランシスコ・ザビエルの山口訪問400周年を記念して建てられた聖堂は、小京都の趣を残す山口市の新たなシンボルとなり、たくさんの人に親しまれています。
フランシスコ・ザビエルの山口訪問400周年を記念して建てられた聖堂
初代聖堂の跡地に、復活を遂げた山口サビエル記念聖堂(2003年8月撮影) |
名前の由来となるカトリック教会の宣教師、フランシスコ・ザビエルは、カトリック教会の命を受け、リスボンから喜望峰まわりの航路を通ってインドへ布教に赴きました。インドでの布教が順調に進んだ後、その東にある日本にもキリスト教を布教させようと海を渡ってきます。
日本での最初の上陸地は鹿児島。その後平戸(長崎県)を経て、京の都まで足を運び、各地でその土地を納めていた領主に許可をもらってキリスト教の宣教活動を行っていました。
室町時代、当時周防(すおう、現在の山口県)周辺を治めていた大内義隆はキリスト教に理解を示し、山口に来たフランシスコ・ザビエルに対して宣教の許可を与えると共に宣教師を手厚く保護しました。このため山口は日本で最初にキリスト教が根付いた地とされています。
初代の山口サビエル記念聖堂。1991年9月に惜しくも焼失してしまいました……(1990年9月撮影) |
※ちなみに山口では"サビエル"と最初の字を濁らずに呼びますので、聖堂の名前も"サビエル記念聖堂"となります。
とんがり屋根を持つ2本の大きな塔を控えた聖堂は、40年近くの間、山口のシンボルとして人々に親しまれていたのですが、惜しくも1991年(平成3年)9月に火事で焼失してしまいました。
多くの人々の思いで復活を遂げた美しい白亜の聖堂
山口サビエル記念聖堂の全景。正面から見ると非対称となる三角の屋根と後ろに控える2本の塔が訪れた人の印象に残ります(2001年8月撮影) |
イタリアの神父と建築家の設計による新しい聖堂は、落ち着いた雰囲気を醸し出していた初代の聖堂とは大きくデザインが変わってしまったのですが、形こそ変わったものの空に向かって伸びる二本の塔は健在です。
山口サビエル記念聖堂の屋根と塔。2階が聖堂です(2003年8月撮影) |
初代の聖堂で15分おきに市内に鳴り響いていたカリヨンの鐘は、新しい聖堂でも引き継がれ、15分おきにカリヨンの鐘が鳴ります。そんな鐘の音を聞きつつ、ゆっくりと聖堂の雰囲気を楽しむと良いでしょう。
白亜の建物が美しい山口のサビエル記念聖堂をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。小京都の趣を残す山口で、たくさんの人々の思いで復活を遂げたサビエル記念聖堂へぜひ出かけてみて下さい。
山口サビエル記念聖堂へのアプローチ
山口サビエル記念聖堂への最寄り駅となるJR山口線 山口駅 |
- 地図:Yahoo! 地図情報
- 公共交通機関の場合
<飛行機>
山口宇部空港より、宇部市営バスで新山口駅へ。新山口駅より、JR西日本 山口線で山口駅下車。徒歩約15分。
山口宇部空港から山口市内まで直行する乗合タクシー「空港エクスプレス」も使えます。
<鉄道>
山陽新幹線 新山口駅より、JR西日本 山口線に乗り換え、山口駅下車。徒歩約15分。
<高速バス>
東京駅と山口・萩を結ぶ「萩エクスプレス号」(防長交通バス)が山口市内の西京橋に停車します。
- 車の場合
中国自動車道 山口インターチェンジから、国道262号線で山口市内中心部へ。
または小郡(おごおり)インターチェンジから、国道9号線で山口市内中心部へ。
山口サビエル記念聖堂にも駐車場がありますが、混雑している場合は、山口市役所横の駐車場に止めた後、聖堂に向けて少し坂を上っていく形になります。