ビールの値上げには断固として反対するドイツ人
気候のいい時期は、毎日どこのビアガーデンも人でいっぱい。みんなビールが本当に大好きです |
こんなに安いドイツのビールですが、その価格をめぐって「ビール革命」と呼ばれる事件がミュンヘンで起こったことがあります。
時は1844年。原材料費上昇のため、ビールの価格が1リットルあたり1ペニヒ(=0.5セント)値上げされることになりました。「ビールを値上げするとは何事だ!!」と憤慨した数千人のミュンヘン市民は、醸造所になだれ込み激しく抗議。兵士たちはこの騒動を収めるよう命じられましたが、何とこの兵士たち自身もビール値上げに反対だったため、鎮静活動を拒否! 市民による数日間にわたる猛抗議の末、4日目にはついにバイエルン国王ルートヴィッヒ1世が折れ、ビールの値段を元に戻した、ということです。
一度値上げされたものをまた元に戻させてしまう、というのはすごいパワーですね。ドイツ人のビールへのこだわり、情熱(?)には感心させられるものがあります。
さてタイムリーな話では、EUがビール、ワイン、蒸留酒に対する税金の値上げを提案していた中、ドイツ政府はチェコとともにビール税の値上げをきっぱりと拒否。繰り返し行われた協議の末、酒税の値上げはひとまず行われないことが、11月28日に決まりました。この酒税値上げ案が通っていたら、ドイツではピール一本あたり1セント(約1.5円)高くなっていただけなのですが、それでも「値上げは反対です!」と言い切るドイツってすごいです。やっぱりビールはドイツにとって、本気で大事なものなのです。
フランケン地方のビール。ガイドが旅先で飲んで感動したビールの一つ |
また「キンキンに冷えたビール」というのはなく、ドイツでは「味がよく分かる程度に冷やされた(日本人にとっては、ぬるいと感じることもあるかもしれない)ビール」を飲みます。グラスを事前に冷やしておく、なんていうこともしません。
……とこんな具合に、いくらでもビール話を書き続けられてしまいそうな勢いです(笑)。そんなガイドも、もともと特にビール好きだったわけではありませんが、ドイツに来てから自然とビールファンになってしまいました。そんな強力な魅力を持ったドイツのビール、みなさんも現地でぜひお試しください! ドイツ人のビールの飲みっぷりを観察するのも面白いですよ。
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