マンガンの働き
銅は裏方として酵素を支える栄養素 |
マンガンが活性化を助けている酵素の中には、酸化還元酵素・加水分解酵素・脱水素酵素などがあり、マンガンが材料として働いている酵素は、アルギニン分解酵素・乳酸脱炭酸酵素・マンガンスーパーオキシドジスムターゼ(MnSOD)などがあります。
これらの酵素は、抗酸化や糖質・脂質・タンパク質の代謝など、重要な反応に関係していて、マンガンは酵素の働きを支えることで私たちの身体を支えてくれているのです。
さて、そんなマンガンの摂取量が多すぎたり少なかったりすると、どんなことが起こってしまうのでしょうか。
マンガン不足・過剰の症状
■ 不足
マンガンは、地球上のいたるところにあるミネラル。なので、私たちが食べている植物・動物にも豊富に含まれています。健康な方が通常の食生活を送っていれば不足する心配はほとんどありません。
マンガン不足については、十分な研究がされていないため、はっきりと症状が特定されていません。これまでの症例では、骨格異常、糖質の代謝障害、脂質代謝異常、生殖機能低下、運動失調、皮膚代謝の異常などが起こる可能性があるという報告されています。しかし、これらはマンガン不足以外の原因でも起こる症状のため、「この症状がマンガン不足」と特定されている訳ではありません。
■ 過剰
健康な人が通常の食生活を送っていれば、過剰症の心配はほとんどありません。マンガン過剰症のリスクが高いのは、溶接作業を行っている方で、作業中にガスに混ざって吸い込んでしまう(気道吸収)ことが原因です。また、通常の食事ができず、病院で長期的に経管栄養を利用している場合も、過剰症が表れたという報告があります。
マンガン中毒では、強い精神障害やパーキンソン病に似た中枢神経系障害など、神経系の障害を中心に生殖機能や肝機能などの機能不全や障害が報告されています。
次のページでは、マンガンが豊富な食材を紹介!