冬だからこそ大胆に行いたい土壌改良。
実は、冬こそ、思い切って土を掘ることができる季節なのです。それは寒いせいで、汗をかかずに済むから?いえいえ、それだけの理由ではありません。その理由と、具体的な方法を、紹介していきましょう。
施肥の植物への効果とは?
まず、基本的なことから整理していきましょう。施肥を行うことによって、花木の花付きを良くする。・樹木の芽吹きが良くなり、葉色を美しい緑に保つ。という効果が期待できます。
また、同時に土壌改良を施すことによって、土の水はけ・通気性・保肥力などを、より向上させることができます。ガイドも仕事柄、植物の生育状況が良くないといった相談を時々受けますが、実際に現場を見てみると、土の水はけの悪さが原因とみられることがよくあります。こういった土に、堆肥や炭を混ぜてしばらく様子を見ると、徐々に植物も元気を取り戻してきます。
また、ガイドも日頃行っている、化学農薬を使わないオーガニックなガーデニングにとって、土の良し悪しは非常に重要な要素です。
なぜ、冬に施肥をすると良いのか?
大きな木に土壌改良を施す場合は、このように、根の周りに溝を掘って行います。
ちなみに、関東地方などの比較的土の豊かな地域では、庭に植えられているすべての植物に、毎年施肥を行う必要はないと考えています。ガイドは実際、一般的に「肥料喰い」といわれる、バラやクレマティスなどの花をたくさん咲かせる植物や、ブルーベリーやレモンなどの実ものに限って、施肥をしています。
施肥と土壌改良に必要な材料
左から時計回りに、牛ふん・有機質肥料・海藻腐葉土
●有機質の肥料
「チッソ」・「リン酸」・「カリ」がバランスよく含まれているものを選びます。バラやクレマティスなど、花をたくさん咲かせたいものについては、これにプラスして、リン酸分の多いバッドグアノなども使用しています。
●牛ふん
土壌を良くする改良材として使用します。牛ふんのほかにも、堆肥や馬ふんなどを使用することもありますが、どれを使う場合でも、完熟のものを選ぶことが重要です。また、水はけを調整したり、微生物の住み処を提供してくれる炭を混ぜることもあります。
それぞれの材料を、適当にブレンドして使います。
肥料分以外のミネラル分の補給として使用します。微量のミネラル分は、葉色を良くしたり、肥料の吸収をより良くしてくれる働きがあります。
この他にも、土壌改良の材料として、植物にとって有益な微生物(土着菌・ホウセン菌等)を発酵させたものや、ミネラルの補給として、珪酸塩白土などを混ぜることもあります。いずれにしても、春以降にどんな結果があらわれるかといった実験気分で、それぞれの現場の状況や、植えている植物によって、いろいろと試してみるのも楽しいものです。
施肥のやり方・作業方法
地下の根は、地上の枝とほぼ同じくらいに広がっています。
さまざまな植物が混埴されているところでは、このように、数ヶ所穴を掘って肥料を入れます。
寒い日でも、大きなスコップで土を掘ると、ものすごく体が温まってきて、分厚い上着もすぐに脱ぎたくなってしまうほどです。冬こそ!施肥と土壌改良の季節なのです!
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