ワインやチーズの専門家にフランス語は必要か?
フランス語でのコミュニケーションは何かとお得! |
須藤:これは、本当に毎回実感しています!ワインやチーズにはまると、本場フランスのワイナリーへchâteau(シャトー)巡りをしたり、チーズの小さな生産者であるfermier(フェルミエ)を訪問する様になります。圧倒的に英語を話す方が多いのか、自己紹介程度のフランス語を話すだけでも、その後に対応が違うのです。
つまり、より丁寧に説明してくれたり、特別なワインをdégustation(デギュスタシオン/試飲)させてくれるのです。ですから、ワインやチーズの専門家を目指す際には、簡単な日常会話程度のフランス語が出来ると本当にいいですよ。
越智:そういうお話を聞くと、フランス語学習者はとってもうれしくなりますね。ワイン用語に関してはいかがでしょう?
須藤:tanin(タナン/タンニン)が多いとか、acide(アシドゥ/酸)が控え目とかワインの基礎用語をフランス語で言えれば尚更いいと思います。要は「この人はワインやチーズを学ぶために、フランス語を頑張っている」と思っていただけることが大事なのではないでしょうか。
でも、日本人にありがちな、cépages(セパージュ/葡萄の品種)の比率、例えばCabernet Sauvignon(カベルネ・ソービニョン)が何パーセント入っているか」などというような質問を多くすると「日本人って cépagesセパージュ比率気にするよね~」と若干ひかれますので、ご注意を。
「自分の感想をフランス語を用いて伝える」ということが好印象を与える秘訣です。
「出来ない子ほどほめる」のがワインの文化
食卓でのワインは優しく愛でたい! |
須藤:そうですね。一般的にワインは、コルクの香りがしてしまっているワインはいい状態で保存されていない、ということがイコールでbouchon(ブション/コルク栓)から、コルク臭がする、とかはよく言います。日本のソムリエさんでも「あ、このワインはbouchonné(ブショネ)しています~」なんて表現はよくします。
越智:C'est noté. (セ ノテ/メモりました。)
須藤:ただ、ワインは、「出来ない子ほどほめる」ではないのですが、たとえそのワインが飲み頃を過ぎてしまっていても何とかいい部分を引き出して表現してあげるという文化があります。ですので、お食事などの場では、マイナスな表現は避けている感じです。
越智:エレガントの対極にある私が言うのもなんですが(笑)、確かにお食事を愉しむシチュエーションで、「ああだ、こうだ」と雰囲気をぶちこわして語るのはあまりエレガントではないですね。
須藤:ええ。プロ向けテイスティング会などでは、そんなに言わなくても~という表現が飛び交ったりしますけど。(笑)なので、表現となると、おいしい、まずいというよりはワインの色や香りなどを表す言い方を覚えてみるのはいかがでしょう。
越智:はい!意地悪せずに、客観的にワインを愛でるフランス語、素敵です。
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