フランス語/フランス語アーカイブ

こんな僕でも翻訳家になれる?(2ページ目)

「理系の僕が、翻訳家になるのは難しい?」よせられた質問メールを胸に、ガイドが翻訳学校のバーチャル授業に挑戦。頭を初心者モードに変更して、プロの翻訳家の指導を受けます。

越智 三起子

執筆者:越智 三起子

フランス語ガイド

まだまだレベル

amphi
円形闘技場で模範試合?

まず最初に、訳出に必要な単語のリストアップから。puce=ノミ・背の低い人、savant=博識の・芸をしこまれた、exhibition=公開・エキシビション、cirque=サーカス・円形劇場、Il y a ~=~がある、dire à ~=~に言う、commence à ~=~しはじめる、gagner=稼ぐ、pouvoir=~できる、s'acheter=自分のために買う、chien=犬、On=人々・誰か・私たち

では、頭を完全初心者モードにチェンジして、早速チャレンジしてみます。

越智:さて、pucesって「ノミ」だけど、しゃべっているから違うだろうな。とりあえず、「背の低い人間」というのがあるから、まずは主語にそれを選んでおこう。enとか、quiとか習ったけどよくわからないので、テキトーにつないでこんな訳ができました。でも先生、意味わかんないんですけど。

訳文1:(1)ふたりの学識にあふれた背の低い男たちが円形闘技場で模範試合をしている。(2)ある日、それがひとつあって言う。(3)「人はそれほどお金を稼いでいない。(4)もうじき人は犬を買うことができる」

高野:(突っ込み)んんーっ。確かに意味がわかんないですね。初心者モードになりすぎ?(笑)

越智:やっぱ、いくらなんでも、ここまでヒドイ人はいないですかね(笑)。でも、わかりませんよ~。

意味の通らない訳文は、解釈の間違いを疑おう!


高野:では、ここで、まず翻訳で大切なことをひとつ。翻訳を依頼される場合、ほとんどの原文はきちんと訳せば意味が通るようになっています(すべての原文がそうだというわけではありません)。ですから、もし意味がわからない訳文ができたら、それは解釈がまちがっていると考えてください。誤訳は訳文が教えてくれるのです。

で、解釈のまちがいには語学的なまちがいと、作品に対する読解不足からくるまちがいがあります。上の訳のうち(1)は読解不足から解釈のまちがい。(2)は文法のまちがい。(3)(4)は読解不足からくる解釈と表現の問題です。ということで、まずは語学的な部分をしっかり押さえるところから始めましょう。

「pucesって『ノミ』だけど、しゃべっているから違うだろうな」こういう考え方はいいですよ。普通、ノミはしゃべりませんから……。

越智:ハイ、先生。出なおしてきます。

次ページでは、「がんばってレベル」をお届けします。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます