紫外線の恐怖と太陽の誘惑に翻弄される女たち
コスメ人気も日本とフランスでは異なる |
taches brunâtres(タッシュ ブリュナトル/しみ)やrides(リッド/しわ)などの肌の老化現象はもちろんのこと、cancer de la peau(カンセール ドゥ ラ ポ/皮膚癌)の増加など、無視できない情報が耳に届くようになり、これまでのように無意識に皮膚を太陽にさらすことは愚かな行為に。
これまで、同様の道を歩んできた日本人女性とフランス人女性の選択は、この時期を境目に逆のベクトルですすんでいくことになります。トレンドに敏感な日本人女性が「焼かない美白」を選択する一方で、彼女たちは「焼かない小麦色」あるいは「安全な日焼け」の道を選択。
現在でも、フランスでは、poudre bronzante(プードゥル ブロンザントゥ/日焼けパウダー)やcrème bronzante(クレーム ブロンザントゥ/日焼けクリーム)といったautobronzant(オトブロンザン)と呼ばれる、使用するだけで小麦色になれるという化粧品がとぶように売れています。
それにしても、なぜフランスの女性たちはそこまで「小麦色」にこだわるのでしょうか?
フランス人が小麦色にこだわるワケ
肌色は自分の思想を表現する小道具にもなる |
化粧品の売り上げをみてもわかるように、彼女たちは常に太陽を求め、太陽とお友達であろうとする。「小麦色」のもつ健康的でスポーティなイメージは彼女たちの顔色に輝きをもたらし、les jambes blanches(レ ジャンブ ブランシュ/白い足)を引き締まったSEXYで野性的なイメージに変えてくれます。
さらに、全身裸体で過ごすというところまではいかなくとも、自然と調和して生きるというnaturisme(ナチュリスム/自然回帰主義)的な思想の自己表現としても「小麦色」は一役かうことになるでしょう。
トレンドは、海岸で休暇を過ごすvacances bleues(ヴァカンス ブル/青のバカンス)から、山や高原などの緑に囲まれて過ごすvacances vertes(ヴァカンス ヴェルト/緑のバカンス)にシフトしつつあり、フランス人女性たちの肌色も、すでに太陽を意のままにあやつって自分で選ぶ時代となりましたが、彼女たちの「小麦色」信仰は、まだまだ根強いようです。
今年のあなたのバカンスは「青」それとも「緑」?肌色は、「白」それとも「小麦色」?
【関連INDEX】
【関連記事】