仏仏辞典は難しくない!
『ラルースやさしい仏仏辞典 N2』 |
世の中こんな暇人ばかりでないことはよく分かっているのですが、ただ一つ言えることは、ド初心者であったにもかかわらず、「分からない」ということはなかったです。
越智:確かに「分からない」のではなくて、「根性がない!」というのが正解ですね。(笑)ところで、私は仏文ということもあって、いきなり巨大なPetit Robertをすすめられ、その重さだけですでに仏仏を本棚から出すことから遠ざかっていた口ですが、当時使用されていたのはどのような仏仏辞典ですか?
マガロン:まずはフランスの小学生用のものを使い、引いても載っていないことが何度かあったので、その後は『ラルース現代仏仏辞典』を使いました。例文に込み入ったものが少なかったのがよかったのかもしれません。
むしろ、出会った初めての言葉の素顔がよく分かるというか、この言葉はこういう方向を向いていて、意味の範囲はこんな風に広がっているんだな、ニュアンスがしっかりとつかめて、いちいち納得でした。辞書を引いている時間が、無味乾燥な単純作業ではなく、「初めての言葉に出会う」というそれ自体に意味のある体験で、辞書を引いている時間も含めて、フランス語時間になるので、フランス語学習がより楽しめたというのが実感です。
仏和と仏仏どっちが効率的?
たまにはゆったりと。語学学習にも「スロー」哲学を。 |
マガロン:時間を節約しようと思って、文章をよく読みもしないで、分からない単語を片っ端から辞書で引いて、例文も読まず、意味だけを単語の脇に書いてらっしゃる方をお見かけします。そうすると、いつまでたっても、日本語の単語の裏には、それに対応するフランス語がくっついているような気がしてしまい、フランス語独自の語彙体系が自分の中に育ちません。
結果、日本語的に考えて、単語レベルでフランス語に置き換え、意味不明であったり不鮮明であったり、すっきりしないフランス語で作文したり、話したりすることになってしまいます。フランス語の語彙を日本語とは別のものととして、自分の中で育て、フランス語勘とセンスを持つために、仏仏使用はとっても近道なのです。
語学版「スローライフ」のススメ!
ストレスフルな世界を忘れさせてくれるようなマガロンさんの笑顔 |
マガロン:ええ。仏仏をひいても分からないときは、その例文を書き写してみます。何が主語で何が動詞で、何が直目で、何が間目で、副詞の役割を果たしているは何か? 形容詞の役割を果たしているのは何か?分析してみます。
越智:辞書を引くこと自体に、先ほどの「読解」での勉強方法が、応用される……。
マガロン:多分それで意味が分かると思うのですが、それでも理解を妨げる単語があるのであれば、その単語を仏仏でひいてもいいかもしれません。同じことを繰り返して、また分からない言葉があれば別のページへ。鏡の国に迷い込んでしまった!と思ったら、連鎖を断ち切るために、たまに仏和をひいてもいいかもしれません。
難しい文章を仏和辞典を片っ端から引き引き読むのは、日照りの下のアスファルトを歩くようなストレスフルな勉強方法です。ここはひとつ、スローに構えて、仏仏を使って頂ければ、丘あり、せせらぎあり、森あり、花畑あり、思わぬ動物に出くわしたり……豊かなフランス語世界にすっと入って、実は時間の節約です。
越智:フラ語版「スローライフ」の実践こそが、「フランス語離陸」への近道!そう考えれば、なんだか勉強も楽しくなってきますね。マガロンさん、今回は、本当にありがとうございました!
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