「She is a peach !」みたいな表現がフランス語にありますか?ガイドによせられた質問を元に、フルーツを使ったフランス語の表現を徹底調査。『フルーツとフランス語のほろ苦関係』続編をお届けいたします。
やっぱり形が印象的?:洋梨編
「洋梨」の比喩で呼ばれていたフランス王Louis Philippe |
en poireで「洋梨型の」という意味を表すので説明いらず?気になるのは、「褒め言葉」か「けなし言葉」か?まあ、人にもよるでしょうが、éloge(エロージュ/賞賛)だろうということでした。
フランス王Louis Philippeから「洋梨」へ |
美食家の習慣として、食事の最後に食べるfromage(フロマ-ジュ/チーズ)の前に、poireが出されていたことから、食事の終わりの方のなごんだひとときを指す。直訳は、「洋梨とチーズの合間に」。日本語にすると「たくあんと日本茶の間に」という感じ?
être bonne pomme に似た表現。「だまされやすい」人のことを指して言う言葉。フランス王Louis Philippeが、「洋梨」の比喩で呼ばれていたことは知っている方も多いのでは。画像は、「洋梨」に変身するLouis Philippe像。なんか、とってもまずそうです。
couper(クぺ)は「切る」の意味で、直訳は「洋梨を二つに切る」。自分の「洋梨」だけ大きくしてしまうような人には「切り分け」られないように注意がいりそうですね。
フランスでは2種類あるぞ!:栗編
フランスで雛罌粟(コクリコ)と詠んだ与謝野晶子 |
それでは、余談はさておき、フランスでは2種類ある「栗」、marron(マロン)とchâtaigne(シャテ-ニュ)の違いからお勉強するといたしましょう。まず、お話を簡単に進めるために、フランス語で果物のなる木を表すときは、その果物名に普通-ierか-erをつけると覚えてください。つまり、marronと呼ばれる木の実は、基本はmarronier(マロニエ)と呼ばれる木に、châtaigneと呼ばれる木の実は、châtaignier(シャテニェ)と呼ばれる木になると考えられます。
ところが、話はややこしくなって、このmarronierになるmarronは別名marron d'Inde(マロン ダンドゥ)と言って食べられません。さらに、châtaignierと呼ばれる木は、châtaigneと呼ばれる木の実と、marronと呼ばれる2種類の木の実をつけます。実は、「マロングラッセ」などで有名な、「マロン」とは、このchâtaignierにできるmarronというわけ。こちらのページでchâtaigneとmarronの違いがイラスト化されていますので、ご確認ください。
木になっているchâtaigne |
châtaigneとmarronの違いは複雑で、いろいろ細かい定義があるようですが、要は、bouge(ボグ/イガ)の中に入っている実が小さくていくつかの実に別れている小型の栗をchâtaigne、大きいものがmarronと考えればいいでしょう。作られる料理、大きさ共にmarronの方が、リッチ感を漂わせています。それでは、小さい方のchâtaigneから。
donner(ドネ)は「与える」という意味、recevoir(ルスヴォワール)は「受け取る」を意味する動詞。直訳は「栗を与える(受け取る)」。J'ai pris une châtaigne.(私は一撃をくらった。)という表現は、 décharge électrique(放電・感電)の際にも使うようです。
ここで使われているmarronは名詞ではなく形容詞なので、前にくる名詞にあわせてmarron(マロン/男性単数形)、marronne(マロヌ/女性単数形)、marrons(マロン/男性複数形)、marronnes(マロヌ/女性複数形)と変化する。un médecin marron(偽医者)のように、該当する職業に必要な資格を有していない場合に使用。
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