ワサビのかわりは、アプリコットジャム
寿司米の上に、フルーツをのせただけという手抜きでないのが、今回のレシピの素敵なところ。「フルーツ寿司」と日本の伝統を破壊しているようで、実は、「わさび、しょうゆ」と細部にこだわっている姿勢が、彼女の「日本文化尊重度合い」の高さをにおわせています。3. 「Enduire le dessus des petites "quenelles" de riz de confiture d'abricot, et coller les fruits. 」
(アプリコットジャムを米でできた小さな"クネル"の上にぬって、フルーツをくっつけます。)
Enduire A de B(アンデュイール A ドゥ B)で、「BをAに塗る」の意味。confiture(コンフィチュール)は「ジャム」、abricot (アブリコ)が「アプリコット」のことです。Dessus(ドスュ)は、「上部」を意味する名詞。「下部」をあらわすフランス語は、 dessous(ドスー)で、綴りも発音もよく似ていますが意味は全く逆ですので気をつけましょう。
しょう油、わさびにもこだわりたい! |
さらに、coller(コレ)というのは、もともと「糊(のり)でくっつける」の意味。「糊」は、 colle(コル)。ちなみに、 collant(コラン)というフランス語は、「ストッキング」です。足にぴったりくっつく感じがよくわかりますよね。
もちろん、特製しょうゆもはずせません
4.「 Servir avec du lait concentré sucré, du miel liquide, du caramel ou du chocolat fondu....(練乳、はちみつ、カラメルソースや溶かしたチョコレートを添えて、出しましょう。)
servir(セルヴィール/出す)は、食べ物や飲み物を食卓に「出す」ときに使います。ウエートレス、ウェイターは、それぞれ serveuse(セルヴーズ)、 serveur(セルウ゛-ル)。avec(アヴェック)は英語のwithと同じ。ちょっと今では、「おじさん」っぽい響きが逆にオシャレな感じもしますが、日本語でも、恋人同士のことを「アベック」とよんだりするのを知っていると思います。
caramel(カラメル)は、カラメルソースとともに、お菓子の「キャラメル」も表します。lait(レ/牛乳)、chocolat(ショコラ/チョコレート)は、知っている方も多いのでは。miel(ミエル)が「蜂蜜」です。
また、それらの名詞の後ろにくっついているconcentré (コンサントレ/濃縮した)、sucré(スュクレ/甘い・砂糖入りの)、liquide(リキッド/液体の)、fondu(フォンデュ/溶けた)が形容詞となります。fonduは、「チーズフォンデュ」でお馴染みですよね。
duに関しては、ややこしいのでまた機会を改めてご説明いたしますが、これは部分冠詞と呼ばれるもので、先ほどun peu deの箇所で簡単に説明した非加算名詞の若干量を表すときに使う冠詞です。
ということで、超簡単「フルーツ寿司」のできあがり。ここまでくると、なんだかおいしそうに思えてきました。とはいっても、やはり自分が食する前に誰かに食べさせたい気がしないでもない!! ここはひとつ、父の日のレシピとして、パパのユーモア度と味覚をテストする一品にしてみてはいかがでしょうか?
【画像・引用協力サイト】
Xihongshi(Recettes de cuisine pas chères et rigolotes)
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