現在形よりも、過去のできごとが語れるように!
ガイド:文法を一通り終わらすと言っても、「接続法」や「仮定法」となると、「ちょっと待った!!」と言う日本人学習者は、初心者でなくても結構いると思うのですが...。これだけは絶対覚えておいてほしいという最重要の文法事項は何だと思いますか?
Laure先生:
先ほどの日本人は「臆病」という話にも関連するのですが、私たちの学校では、最初に生徒さんの「緊張感」を取り除き、教師との信頼関係を築くために、個人的な質問をいろいろさせてもらっています。「現在形」で、語ってもらうことも大切なのですが、動詞の活用が難しくてなかなかうまく言えない。あるいは、自分の考えをフランス語で話すというのが難しい人が多いので、例えば、「昨日○○の映画を見た。」とか「○○を食べた。」というような日常的な行動から話をしてもらいます。ですので、一つだけあげるとすれば「複合過去」。とりあえずこれをマスターしておけば、ホームステイ先で1日のできごとを語れますからね。
まさに、同感!!「私は○○を食べる」より、はるかに「食べた」と言うことの方が日本語の会話でも多いですよね。ということで、フランス語の「複合過去」についてちょっとお勉強いたしましょう。
「複合過去」って何?どうやって作るの?
過去形を制すれば、フランス人との会話も恐くない! 画像提供:C.A.F.J |
この時制は、基本的に、「現在とつながりのある過去」という風にとらえられており、つくり方も英語のhaveにあたるavoir (アヴワール)の現在形か、be動詞にあたるêtre(エートル)の現在形に過去分詞をくっつけます。英語で言うと「現在完了形」か「受動態」のつくり方と一緒ですよね。
次に、助動詞(auxiliaire/オクシリエール)にavoirを使うか、êtreを使うかという問題ですが、これは普通はavoirで、とりあえず、aller(アレ/行く)、venir(ヴニール/来る)、partir(パルティール/出発する)、arriver(アリヴェ/到着する)、rentrer(ラントレ/戻る)などの「場所の移動」を表す動詞のときは、êtreを使うと最初は覚えてください。(他にもいろいろありますので、気になる方は調べてみましょう。)
フランス語の「過去分詞」って?
フランス語の過去分詞の作り方は、それほど複雑ではありません。先ほどでてきたarriverやrentrerのように語尾が-erで終わる第一群規則動詞は、「r」をとって、「´」を「e」の上につけ、arrivé、rentréという風にします。また、finirのように語尾が-irで終わる動詞は、最後のrをとって、finiとします。その他の、不規則動詞に関してはよく使うものは覚えておくといいでしょう。さらに、一つ注意しておきたい点は、êtreを助動詞にとる場合の過去分詞は、主語に性数を一致させなければなりませんので、主語が男性単数ならそのまま、女性単数なら最後に「e」を、また、男性もしくは男女の複数なら、最後に「s」を、女性の複数ならば「es」をつけてください。ただし、これは書き言葉の際に注意しなければならないことで、発音に変化はありませんので、おしゃべりの際は気にしなくて大丈夫です。
これだけは覚えておきたい過去の表現
と、ちょっと難しい話をしましたが、Laure先生のアドヴァイスは「êtreかavoirかなんていうややこしいことはかまいません。とりあえず、自分がよくすることを過去形で言えるように」というもの。それでは、不規則動詞を含めて、「これだけは覚えておきたい過去の表現」をいくつかあげてみましょう。最後に極めつけのJ’ai pris.(ジェ プリ)。これは、英語のtakeのように「とる」を意味する動詞prendre(プランドル)の複合過去形ですが、「食べた。」「飲んだ。」「乗った。」などいろいろ使えます。意味を調べてどんどん活用してください。また、自分はこれだけは絶対必要だなと思われる動詞の過去分詞もあらかじめ覚えておきましょう。
次ページでは、もう少し余裕のある方向けに、「日本について語る」ためのお勉強をしてみましょう。