読み方は結構複雑!フランスでも大人気の『スター ウォーズ』
今、フランスで話題の『スター ウォーズ』 |
この『Star Wars』、最近は英語読みにならって、「スターワー」などと発音されているようですが、以前は『La guerre des étoiles』(ラ ゲール デ ゼトワル)という呼び方が普通でした。La guerreは「戦争」、étoileは「星」の意味ですから、英語タイトルをそのままフランス語におきかえたものです。
また、このétoile(エトワル)という単語が、「スター」を意味するのは、フランス映画ファンであれば、バレエ映画としてものすごい人気を誇る『エトワール』(『Tout pres des étoiles』/トゥ プレ デ ゼトワル)の存在でご存じの方も多いと思います。
話を『スター ウォーズ』に戻しますが、このシリーズ作の副題に目を向けてみますと、最近公開されて話題となっているのは、『エピソード3/シスの復讐』。このフランス語訳は『Épisode III : La Revanche des Sith』(エピゾッド トロワ ラ ルヴァンシュ デ シトゥ)となり、こちらも意味的には正確なフランス語訳がつけられています。
それでは、この副題からは、2つの大事なフランス語読みの規則を覚えていただきましょう。まずは、épisodeですが、「エピソード」という発音ですでに日本語化してしまっているこの単語のフランス語読みは、単語後半部分の「s」が二つの母音「i」と「o」に挟まれているため「サ行」ではなく「ザ行」の読みになります。発音記号で言うと、2つの母音の間にある一つの「s」は[s]ではなく、[z]の音で発音されるという決まりがフランス語にはあります。ということで、「エピソード」ではなく「エピゾッド」と読むわけですね。
次に、『スター ウォーズ』を語る際に重要となる「ジェダイ」と「シス」という2つの単語ですが、これらの単語はフランス語で表記すると英語と同じくJediとSithとなります。Jediをフランス語の読みの規則にのっとって発音すると「ジュディ」となるのですが、実際の発音は「ジェダイ」と英語風。どうやら、「ジュディ」と発音してしまうと、フランス語には同じ音をもつあまりにも有名な単語Jeudi(木曜日)があるので、滑稽な感じになるようです。確かにそうなると、「スター ウォーズ」というよりは「曜日戦争」という感じで笑えますね。
一方Sithの方は、フランス語風に「シトゥ」と発音。フランス語では「Th」という表記は、発音記号で言うと[t]となりますので、タ行になります。紅茶を意味するthéは「テ」。英語のtheに似ている表記ですが、読み方は全く違いますので気をつけてください。
映画『アメリ』にはちょっとばかり気をつけて!
『アメリ』ファンにはこんな本もおすすめ。 |
久々に大ヒットしたフランス映画で、いまだに根強い人気を誇るオシャレな映画『アメリ』。みなさんは、この『アメリ』というタイトルが、フランスでかなり一般的な女性のprénom(プレノン/名前)であることをご存じでしょうか?
フランス人と会話をしている際に、それがずっと映画の話題である場合には大きな問題とはならないのですが、J'aime Amélie.(ジェム アメリ/私はアメリが好きです。)と言うと、「どこのお家のアメリさんかしら?」という感じになることがあります。フランス人にとっては、知り合いに2・3人はいるというありふれた名前なのですね。
映画『アメリ』のフランス語タイトルは『Le Fabuleux destin d'Amélie Poulain』(ル ファビュルー デスタン ダメリ プラン/アメリ・プランの驚くべき運命)です。フランスでは、映画『アメリ』について話したいときには、Amélie Poulain(アメリ プラン)とフルネームで言うのが一般的ですので、覚えておくといいですね。
今回は初心者の方にわかりやすくするために、無理矢理発音記号にも「カタカナ読み」をつけてしまったりしましたが、正確な発音は、カタカナで表せないものが結構ありますので、辞書で発音記号を確認されることをおすすめします。公式サイトの予告編などで、実際の音声を確認してお勉強に役立てるという方法もいいですね。