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夫婦の不公平感を解消する3つのステップ……「分担」はやめるべき?

今回は、夫婦の不公平感を解消する方法をご紹介いたします。共働きでがんばろうね! と決めた2人がつい陥りがちな「家事分担」の落とし穴。うまく回っている間はいいけれど、忙しくなったり不満がたまると「分担」の発想にはちょっとした注意が必要ですよ。

ももせ いづみ

執筆者:ももせ いづみ

時短生活ガイド

夫婦の不公平感を解消するには? 3つのステップで解説!

夫婦の不公平感を解消するには

夫婦の不公平感を解消するには

忙しい二人の生活。家事や育児は平等に「分担」しようと思う人は多いはず。もちろん、夫婦で協力し合って暮らしの仕事をしていくことはとても大事。とはいえ、あまりに「分担」にこだわってしまうことが、気持ちのすれ違いやトラブルを生むこともあることを、ご存知ですか? 今回は家事や育児を夫婦でどう受け止め、向き合っていけばいいのかを考えてみます。具体的な家事分担のアイデアも大切ですが、その前にお互いの心の持ち方を確認しておくことが、とっても大事なんです。
 
<目次>
 

「分担」という発想に潜む落とし穴

共働きなら家事は分担。当たり前のように聞こえるけれど?

共働きなら家事は分担。当たり前のように聞こえるけれど?

共働きの方のための家事のアイデアをお話する機会があると、必ずあるのが「上手な分担の方法を教えてください」という質問です。このときガイドがお答えしているのがこれ。

家事を「分担」しようと思うことを、まずやめてみましょう!

たいてい「は?」という反応が返ってきます。夫婦で分担って一番大切なことだと思われていますものね。でも、「分担しよう」という発想には、ちょっとした落とし穴があることに、気づいてほしいのです。
「分担」にこだわると、相手が持ち分の仕事をしたかどうかが気になるようになります。同時に、仕事の出来が気になるようになってきます。特に家事の負担が大きくなりがちな方は、「私が義務を果たしているのに、相手が同等の義務を果たしていない」「私が期待した結果を相手は出せていない」ことに不満を感じてしまうことが多いのです。

たとえば「水曜と金曜は子どもをお風呂に入れてね」と決めたのに、相手は10時をすぎても帰ってこない。今日は相手の担当だと思えば、意地でも帰ってくるのを待ちたい気にもなります。それによって寝る時間が遅くなれば、「相手の帰宅が遅くなったせいで寝不足」と思いたくなる。子どもの着替えが適当に済まされているなど、結果に満足できないと苛立ちを感じてやり直したり、相手を非難してしまうことも。「分担」にこだわりすぎることが逆に、気持ちに不満をため込む結果になってしまうケースもあるのです。

では、どうしたらいいのでしょう。
これまで私がインタビューしたご夫婦で、家事が上手にまわっているお宅に共通しているのは、分担ではなくて「共有」の発想でした。つまり、「気づいた人が、気づいたときに手を出す。そのときにやれる人がやればいい」と思える二人が、一番うまくいっているということ。

時間や頻度、家事の内容別に作業を分担しようと考えず、家事全体のハードルを下げて、家族全員で家事を共有していこうという発想を持つのが、共働き世帯にはとても大切なことです。そのためにも、気づいた人がすぐ家事に手を伸ばせる環境を、家の中に作っていくことが、家事の共有の第一歩なのだとガイドは考えます。

とは言っても、やっぱり「分担してほしい!」 という人は多いはず。
 

夫婦の不公平感を解消する3つのステップ

相手に望むことは何なのか、よく見つめなおしてみましょう

相手に望むことは何なのか、よく見つめなおしてみましょう

家事がうまく回るのは「気づいた人が、気づいたときに手を出す。そのときにやれる人がやればいい」という共有の発想がある家庭です。とはいっても、そう簡単にはいかないのが現実。黙っていたら相手が「気づいてくれない」「手を出してくれない」場合、共働き家庭ではどうしても不公平感が生まれます。こうしてどちらか片方が「相手に仕事を担ってもらうために分担を決める」形になっている場合は、以下のステップで自分が本当に望んでいることは何なのかを考えてみてください。
 

STEP1……リストアップしてみる

相手に分担して欲しいと思う家事、一人でやるのは不公平だと感じる家事をリストアップします。「何か手伝って欲しい」ではなく、一人ですることに困難を感じる家事をまずは具体的作業で落とし込みましょう。
 

STEP2……客観的に考える

それぞれ期待した家事を相手が分担しなかった場合、あなたの生活はどうなるか、客観的に考えてみます。
1、感情面は抜きで、物理的にまったく回らない。
  →対策Aを試します。

2、とりあえず一人でもなんとか回る。ただ、不公平感が残る。
  →対策Bを試します。

 

STEP3……対策を考える

上記の1,2に対応した対策を試してみます。
 
対策A


「暮らしの仕事が完全にキャパシティオーバーしている」現実を相手にきちんと伝え、状況を二人で共有して、具体的対策を考えます。
・家事のハードルを下げます
・設備投資をします
・家事外注を検討します

大切なのは、現状を相手に把握してもらうこと。自分が負担を大きく感じていても、相手には見えていないこともままあります。こうした「ハードルを下げて家事を共有化する」作業は共働き世帯の大きなテーマとなりますので、また後日改めて詳しくご紹介していきます。夫婦でじっくり取り組んでいきましょう。

さて、分担の落とし穴にはまっている人がいたらじっくり考えてほしいのが対策Bです。
 

あなたが本当に欲しいものは何?

ではあなたが2の「とりあえず一人でもなんとか回る。ただ、不公平感が残る」という選択肢を選んだ場合の対策について考えていきましょう。
 
対策B


家事を分担してもらうことが、あなたのどんな気持ちにつながるのかをじっくり考えてみましょう。「分担して欲しい」気持ちの裏側には、「私がこんなに大変な思いをしているのに、相手は私のことを何もわかってない」「自分でやったらどんなに大変なのか、この思いを相手にも体験させたい」といった気持ちが潜んでいませんか。

「分担」を相手に求めたくなる気持ちの背景には、日々積み重なった不公平感から生まれた相手への不満が潜んでいることがままあります。こうした形のない不満を「家事を分担してもらう」という、目に見えるわかりやすい方法で解消したくなってしまうというわけです。

こうした場合、分担を求められた相手側は「なんだか相手が怒っているので言われたことをしよう」と感じがちです。必要性の共有ができない場所で、その場しのぎの作業分担をする結果になるため、求めた側はなかなか仕事の結果に満足できません。
「洗濯物のたたみ方が違う→私はもっとちゃんとやっている」
「子どもの相手が適当すぎ→いつも私はもっと時間をかけているのに!」
という気持ちが湧いてしまい、つい相手の仕事を非難してしまいます。このパターンは結局
「せっかくやってやったのに、何が不満なんだ?」
「あなたはなーんにもわかってないのね」
という堂々巡りを生んでしまいます。
肯定的に素直に伝えることも大切です。

肯定的に素直に伝えることも大切です。

もし、あなたがこうしたループにはまりこんでいると感じるようだったら、「分担して欲しい」「手伝って欲しい」という思いの裏側に潜む自分の気持ちに、じっくり向き合ってみましょう。

もしかしたら、あなたはお皿を洗うとか、子供の世話をする作業を物理的に必要としているよりも、心の奥底ではこんなことを期待しているのかもしれません。
「食後にお皿を洗うって結構大変だよね。なのにいつもえらいね」
「子どもをとてもよく見ていてすごいなあと思うよ。本当にありがとう」
と、ちょっとでも抱きしめてくれたら元気が出るのに。そうして少しでも私のことをわかってほしい。いつもがんばってることを認めて欲しい……と。

だったら、「抱きしめて欲しい」「ちょっとした関心を向けてもらうことで元気になれるよ」と素直に相手に伝えましょう。
あなたが必要としているのが相手からの肯定感なのだとしたら、自分も「あなたが必要だ」と肯定感をもって伝えることがとても大切。「何もしてくれない」と相手を非難する場所に立ってしまうと、あなたが一番欲しかったものはなかなか手に入りません。
自分が相手に伝えたいことを、肯定の形できちんと言葉にして伝える。これは夫婦の間でもとても大切なことです。これに関しては、記事「夫婦も、具体的に言わなきゃ伝わらない!」も参考にしてくださいね。


気持ちの肩代わりとして家事の分担にこだわっても、なかなかうまくいかないもの。物理的に本当にまわらない家事は、具体的に解決策を二人で共有する。気持ちのありかは、きちんと整理して、素直に言葉にして伝える。
もしあなたがパートナーとの間に家事の不公平感を感じているようだったら、上記の3ステップで整理してみてくださいね!

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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