看護師の仕事、看護とは
看護のあり方を常に自分に問い続けてきた、という八木さん |
ガイド:八木さんは病院勤務を続けるなかで、常に看護とは?と自分に問い続けていたそうですが、八木さんご自身が考える看護師の仕事とはどのようなことでしょうか?
八木京子さん:看護の看という字は目で見て、手で触れて差し上げること、看護学校で学んだ基本を、常に私の看護のあり方としてきました。けれども電子化が進み、効率が求められる病院では、看護師としての仕事の多くは、患者様との時間よりも事務処理が優先されていました。
そのような病院という組織では、自分のしたい看護を実現することはなかなか困難だろう、と他の道を探り始めたとき、かねてから考えていた社会人大学へ入学することにしました。
もう1度学びたいと、社会人大学へ
ガイド:看護師という資格を持ちながら、なぜ、大学だったのでしょうか?八木京子さん:実は学歴コンプレックスがありました。看護学校では、一生懸命勉強したものの、大卒に比べ、学歴の差を感じずにはいられませんでした。そこで、看護師という資格と経験が活かせそうな社会福祉士資格を取得できる大学を選びました。
また、仕事もありましたので、通信教育を考えていましたが、卒業の条件となるスクーリングが平日に行われることが多くネックとなっていました。日本福祉大学では土日での実施があることを知って入学しました。
ガイド:スクーリングが土日となるとかなりハードではないでしょうか?
八木京子さん:スクーリングはハードでしたし、共に学ぶ仲間の意識の高さに驚きました。中には起業を考えている人もいて、私も自分のしたい看護を実現するためには、起業という選択肢もあるのだ、ということも意識し始めました。
在宅看護を実現するために起業
八木京子さん:その頃、出会った1冊の本「自分の会社をつくるということ」で女性起業塾を知り、すぐに申込みました。
女性起業塾では、具体的な事業計画など実践を学び、講座を修了後、2006年5月に株式会社アイナースを設立しました。
ガイド:実際に起業されて、変化はありましたか?
八木京子さん:起業して思ったのは、世界はなんて広いのだろう、ということ。女性起業塾の卒業生同士のつながりはもちろん、異業種の方々との出会いも増えました。
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