これは鉄製の鍋・フライパン類に一般的に言えることなのだが、中華鍋は、買ってきたときの“おろし”と、その後のメンテナンスが、鍋のコンディションを保つために非常に重要になる。
たまに、炒飯でも、あるいは何を炒めても鍋肌にこびりついてしまって、中華鍋なんて使いにくい、という話を聞くが、これはメンテナンスと使い方が悪いのであって、コンディションが保たれた鍋を正しく使えば、中華鍋ほど炒め物などに使い良いものはない。
まず、買ってきた中華鍋はざっと水で洗ったら、ガスコンロにかけてじっくりと空焚きをする。
火にかけてしばらくおくと最初は煙があがり、さらに焼きつづけると黒い鍋肌が、火にあたった部分から青光りした感じに変色していく。
そして、できればこの青光りが鍋肌全体に広がるように、鍋を傾けてフチの方まで火にあてていく。
ずっと鍋を空焚きするのは、慣れないと怖いものだが、しっかりと様子を見ながらも、我慢して全体を焼きつづける。場合によっては20~30分も空焚きしつづけることになる。
このように空焚きすると、鍋に塗られていたサビ止め剤が焼き切れるので、自然に冷ましたあと、洗剤とスポンジを使って、しっかりと鍋全体を洗うようにする。
こうして初めて油を引いて、料理に使えるようになるのだ。
中華鍋を使う際には、毎回、かならず最初に煙があがるほど鍋を空焼きしてから油を引き、一度この油を切ってから、再度分量の油を引いて使うようにしよう。
特におろしたての時は、しっかりと空焼きして油を何度か引きなおし、できればキャベツや生姜などの野菜のクズでナラシ炒めをするぐらいがいい。
また、このようにして正しく油をひいた中華鍋は、ほとんど焦げつくことがないので、使い終わったあとも熱いうちに水とスポンジでさっと流すだけでキレイになる。
これをすぐに火にかけて水分をとばしてから冷まして片付けると、サビ付くこともない。
表面になじんだ油の皮膜を落とさないためにも、洗剤やまちがってもクレンザーなどで洗わないように気をつける。
そして、何よりも大切なのが、正しい使い方で“しょっちゅう”使ってやることだ。しょっちゅう使われている中華鍋ほど、しっかりと油が馴染んで黒光りがし、いいコンディションが保たれるものなのだ。
これから中華鍋を買おうと思っていたり、あるいはお手元の中華鍋が今一つ不満だという方は、本物の打出しの中華鍋を候補に加えてはいかがだろうか?
最近は、わざわざ合羽橋などのプロ向きの専門店に足を運ばなくても、ネットショップなどで簡単に手にいれることができる。
ぜひ、気に入った中華鍋を手に入れて、存分に中華料理を楽しんで頂きたい。
【道具について】
打出し中華鍋 (片手)
重量1,100g 直径33cm
¥4,200
(有)山田工業所 (神奈川県横浜市)
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