Re?RE?re? 件名?それとも返信?

Re?RE?re?
Re?RE?re?「返信」それとも「件名」?
英文電子メールの返信、アウトルックなどでは、自動的に付記される"RE / Re"の記号。これに関して、2つの意味が取りざたされています。最近では、メールの返信の際に、件名のところに自動的に付記されてくることから、このRE / Re は、「返信」を意味する"reply"の略語であるという説と、もともと"Reは、ラテン語の「~に関する」という前置詞であり、「件名」を指す言葉なのだという説です。この論争は、以下のようにまとめることができます。

(1)RE/Re :Reply to ~ 「~への返信」
(2)Re  :about や、regarding に相当するラテン語の前置詞


この件に関するいくつかの出典

この件に関するいくつかの出典を探ってみましょう。例えば、PENGUIN Writer’s guidesシリーズの"How to Write Effective Emails" by R.L. TRASK のGlossaryP.203によれば、

Re:An Item whose presene at the beginnning of a subject line shows that the current message is a rely to an earlier message.


ここでは、Reは、「~への返信」という意味であると定義されています。また、「英文電子メールの書き方」日経文庫、James LaLonde著、P.178のCoffee Break『英文電子メールの略語』には、

略語     英語の意味     日本語の意味
RE:      regarding     ~について、~に関して


これらを見る限りでは、Re:が、「返信」で、RE:は、「~に関して」という意味になるように思われます。

Reの語源的意味

Re?RE?re?
Re?RE?re?「返信」それとも「件名」?
さて、これらの問題に関する最も妥当な解答としては、染谷氏の著述がその答えとなるものと思われます。まず、歴史的、語源的な意味としてのReの用法としては、以下の説明があります。

Reは、元々、ラテン語のres [ri:z]="thing, matter,object,or the subject matter of a suit,"という語からの借用語で、「~の件に関して」という意味のラテン語の前置詞でした。それがたまたま、regarding,もしくはreferenceとほぼ同義であることから、"Re"をその略語として考えている人が多いが、これ自体で、一つの単語というのが、もともとなのです。
(出典:英文ビジネス文書完全マニュアル染谷泰正著・小学館P.114より引用、*一部筆者中略)

これらは、英文レターや、法律文書に使われる際の"Re"の説明として最も妥当なものといえます。この場合の考え方に基づけば、「主題・件名」としての"Subject"と、この"Re"とは、ほぼ同じ使われ方をしていることになります。

「返信」としての"Re/Re"の用法

次に、「返信」としての"Re/RE"の意味を見てみましょう。これに関しても、上述の染谷氏の著述が極めて参考になります。「英文ビジネス文書完全マニュアル」P.223によれば、英文メールの場合に、この"Re/RE"が、「返信」の意味として使われるとあります。これは、電子メールという文明の利器の返信機能を使用した場合、下記のように、本来は、Subject:とRe:は併用されないが、メーラーの返信機能により、自動的に"Re/RE"が付加される結果、Reは、Subjectの意味ではなく、"Reply to"「~への返信」という意味で使用されるというものです。

ひとつの結論

これらの出典から考えられるのは、本来、"Re"は、ラテン語の『~に関する」という意味の前置詞だったものが、意味上からRegardingや、reference (with reference to)などの略語と勘違いして使われるようになり、それが、電子メールという自動付加機能を持つ、利器の出現により、自動的に"Re/RE"が件名に付加されてくることにより、いつの間にか、「返信」という意味を持つようになったということではないかという結論です。

ただ、これも限られた文献からの考察に過ぎません。もし読者の方で、さらに詳しい出典や、意味をご存知の方がいらっしゃれば、ガイドまで、情報をお寄せくだされば、大変助かります。

言葉とは移ろいゆくものです。しばしば、ある言葉が本来の意味とは異なる使われ方をすることも歴史上しばしば存在します。その点で、この"RE"の用法の論争は、今まさに言葉が変化する瞬間に私たちが居合わせるということなのかもしれませんね!


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