オバマ新大統領の演説上手の秘密とは?
オバマ新大統領の演説の秘密! 演説集は40万部を突破! |
すでに最も売れているもので、40万部を超えているものがあるとか!
英会話学校でも、このオバマ氏のスピーチを使った英会話のレッスンが、通常の2倍の受講生を集めていると、報道されていました。
実際、彼のスピーチは、彼自身を今回の選挙で勝たせた主たる要因であるといわれています。
では、実際に彼の演説は、どこが優れているのか?その点をガイドの視点から分析してみたいと思います。オバマ氏の演説をまねることで、ビジネスでのプレゼンなどに効果がきっと期待できると思います。
オバマ氏の演説の切れの良さ!
まず何といっても、彼の演説は、「キレが良い」といえます。聞いている人の印象に共通する点でしょう。英語の演説でのキレのよさは、どこからくるか?それは、一つにリズムであり、次いロジックだということができます。ロジックの提示から結論までの時間単位が短く、かつリズミカルに計算されている点を挙げることができます。これには、彼のスピーチライターが大きく貢献しているといえます。過去の名演説のコピー?
次に彼の演説を特徴づけているのが、過去の名スピーチ、特に、すでに皆さんもお気づきのように、リンカーン大統領の「ゲティスバーグ演説」、キング牧師の"I have a dream."、ケネディー大統領の就任演説、で実際に使われた表現や、フレーズ、レトリックが、あちこちにちりばめられています。時に、聞いている私などは、これほど類似していて飽きないのか?と思うほどです。またこれは、アメリカが、建国の理想によって、成り立っている国であることを表しています。アメリカ独立宣言にかかれた、"We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal."というアメリカ独立宣言、合衆国憲法にも書かれてある一文は折にふれて引用され、かつてのリンカーン、キング牧師の再来をイメージさせるものでした。このフレーズの際の観衆の熱狂ぶりも実に印象的です。理想を謳いあげるピューリタンの伝統
そしてもう一つ彼の演説の根底に流れている思想的背景を指摘しておきたいと思います。それは、アメリカが、もともと、ピルグリム・ファーザーズと呼ばれる、ピューリタン(清教徒)によって建国され、いわば神聖政治の理想を掲げて造られた国であるという点です。かつてイギリスの宗教的な腐敗を糾弾して立ち上がった、清教徒たちが、その戦い(清教徒革命)に敗れ、Mayfower号で、新世界を目指しました。
たどり着いた新大陸アメリカで、当初理想のキリスト教国を建設することが、理想として掲げられました。今日、キリスト教が全面ではないとしても、オバマ氏自身が持つ、高い理想とそれを実現しようという強い意志が、彼の演説を格調高いものにし、また、多くのアメリカ人の心を打つのは、そのピューリタンたちが掲げた理想主義の伝統が、大きく影響していると思われます。
今まで、アメリカ大統領の演説が、これほど日本人の関心と感心を喚起したことはなかったといえます。それは、逆にいえば、日本が「理想」を求めざるを得ない、かつてない厳しい社会環境にあることを自ずと意味していると言えるかもしれません。
オバマ氏のスピーチは、また、英語のプレゼンテーションや、会議、交渉でも大いに参考になるといえます。ぜひ、生の声を聞いて、実際に音読するなどして、英語のキレのあるリズムを身につけましょう!また就任演説でも彼の名調子に聞き惚れてみたいものですね!