アメリカ人と対等以上に働くために
外国人と対等に渡り合うための心構えが書いてあります。 |
タイトルは、いささか、極端な感じがしますが、内容を読んで見ると、文化や、宗教、ビジネス習慣の違いからくる様々な日本人、アメリカ人双方からの誤解を解くに十分な内容となっています。
日本人が陥りがちな、イエスマンにならず、しっかりと自分を主張し、対等なビジネスパートナーになるための格好の指南書であるといえるでしょう。外為法の改正により、また、M&Aの解禁により、今後日本にいながらにして、多くのアメリカ人や、外国人と交渉していく機会が急激に増えていくことは、確実です。
そんな中にあって、日本で通用する常識が、世界では通用しないことが多くあります。良かれと思って実行していることが、実際には、文化や、ものの見方の違いから大きな誤解や、失敗に繋がることが、国際ビジネスでは多くあります。それを未然に防ぐ手立てを本書は教えてくれています。
真の国際ビジネスパーソンとなるためのヒント!
特に、参考になる部分は、第4章の「日本人が国際社会で堂々と活躍するためのヒント」と、付録の「アメリカ人を『深読み』する技術」です。「日本人にとって「西洋」と「東洋」は一体どんな関係なのか?」「組織の名前にしがみつくのではなく、『個人としての自分』を確立しよう。」「今なぜ、アメリカ人を”深読み”しなければならないのか?」といった、示唆に富む内容が書かれています。
とりわけ、「日本人にとって「西洋」と「東洋」は一体どんな関係なのか?」では、「今の日本では、グローバリゼーションや、グローバル・スタンダードを当たり前のように受け入れようとしているが、そのようにしている国は、世界ではむしろ少数派である」と述べられており、東洋にある日本をまず何よりも優先することの大切さが述べられています。
英語よりもパフォーマンスが大切?
英語でのプレゼンテーションなどでよく言われることですが、英語が流暢であることよりも、その人の話し方が大切であるという点が強調されています。何よりも堂々として、かつゆっくりと自信に満ちて話すことが、相手に一目置かれるポイントであると述べられています。それがすべてではないとしても、一利ある考え方です。英語がうまくないからと、最初から臆してしまっていては、肝心の話も聞いてもらえないことは、実際のプレゼンテーションでもよくあることです。この書で述べられていることは、単にアメリカ人だけではなく、日本人が、海外でビジネスをする際、また、今後国内でも多くの外国人たちとお付き合いをしていく上で、共通したアドヴァイスを含んでいるといえます。ガイド自身の経験に照らしても十分に納得のいく内容となっています。
これから、いよいよ加速する、本当の国際時代の到来に先駆け、まずは、アメリカを初めとして、美化された形ではない、現実の等身大のアメリカとアメリカ人を知る良書として、国際派ビジネスパーソンに、是非ご一読をおすすめいたします!
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