音楽と語学は、共に音を扱う点で共通する点が多くあります。
英語をどんな方法で学習したら、本当に出来るようになるのか?
その疑問に意外にも「音楽教育」の方法が一つの指針を与えてくれます。
▼素晴らしいピアニストを育てるには?
もし、お子さんや、お孫さんを素晴らしいピアニストに育てたいと考えたとき、あなたなら、どんな学習法を選びますか?
毎週、1回20分ぐらい、中村紘子さんや、アルゲリッチのような素晴らしい演奏家のところに通わせて、彼女たちの素晴らしい演奏を週一回生で聞かせていれば、そのうち、ショパンなどを自然に弾くようになるでしょうか?
勿論、そんなことはないはずです。
素晴らしい演奏を聞くことは大切ですが、それだけでは、勿論だめで、他に、必ず必要なものがあります。
それは、「楽譜」と「練習」です。
楽器の「練習」には、必ず、「楽譜」が必要で、それを、見ながら、音符によって、指示された音を、それも毎日見ながら、下記の図のようなことを繰り返し練習するはずです。
つまり、楽譜の音符の音を「聴いて」「演奏して」「読んで」最終的には自分で「作曲」できるくらいまで徹底的に繰り返すはずです。
楽譜に書かれている音符(♪)は、音の高さと長さを表し、それを見て、指示通りの演奏ができるように、繰り返し演奏することが卓越したピアニスト(演奏家)への道であるはずです。
▼英語の「文字」には、「音符」と同じ特性がある!
これと同じことがアルファベットという、「表音文字」を使う、英語という言語の学習にも言えるのです!
*「表音文字」の特性については、「アルファベットに込められた謎」に詳述しましたので、参考になさってください。
英語の文字もそれだけでは、「意味」はなく、組み合わされた「音」に意味が生じます。つまり、英語を「音読」するということは、「文字」の表す音を再生することに他ならないのです。
▼英語の本質は「音」にある!
ですから、英語の会話が自在に出来るようになるためには、さながら、優れたピアニストになるための練習が効果的であると言えるでしょう。
つまり、下記図のように、音を表す、「文字」を見ながら、その正確な音を「聴いて」「話して(発音して)」「読んで」「書く」という繰り返しの練習が大切だということです。
▼音感教育としての語学教育の視点
つまり、楽器、例えばピアノの演奏が出来るようになるためには、やはり、音符についている、音を聴いて、楽譜を読みながら、演奏して、最終的には、譜面を書けるようにならなければ、本当の意味での良い演奏家になれないのと同じで、音を表す、「表音文字」を使う英語という言語を使えるレベルで、マスターするためには、地道に、文字の表す音を聞きさらに読みながら、発音して話して、最終的には、英文を自在につくれる、すなわち、英作できる(書く)まで、繰り返し練習する必要があるのです。語学すなわち、音楽・音感教育という視点から指導することが効果的であり、学習の視点として、大切なポイントなのです。
また、英会話=英作文に他なりませんから、最終的にはたくさんの使える英文を覚えて、繰り返し、口慣らしし、それをネイティブ並の発音で発話できるようになれば、既に素晴らしい、英語の演奏家ならぬ、「話し手」となっていることでしょう。丸暗記の効用も是非、見直したいものです。
▼求められる系統だった学習カリキュラム
今後、ビジネスで使える英語を習得する場合、やはり、アウトプットより、インプットを重視する視点が、重要であると思われます。上記のトレーニング方法を様々な分野で適応するとより効果的な英語学習が可能になるはずです。
そのためにも、今後予定されている、低い年齢からの、アウトプット中心の「英会話」教育ではなく、むしろインプット重視の「正しい音に基づく、文字の読み書き」の系統だった学習が今後、必要になってくると思われます。
いわば、英会話のみを学習するということは、即ち、音楽で言えば、「演奏会」ばかりを行っているようなもので、ただ「演奏会」を繰り返すだけでは、本当の意味でのスキルを向上させることは難しいはずだからです。
日ごろの地道な「練習」が言うまでもなく、必要であると言えるでしょう。英語学習においても、地道なインプット学習のトレーニングの重要性は、意外にも、音楽の分野での、楽器の修得法から、学ぶことが出来るのです。
いかがでしたか?
是非、皆さんのご意見、ご感想をお寄せ下さい!お待ちしています!
【参考】
文字を使った学習の重要性については、下記リンクをご参照下さい!
「英語脳は「レター」がお好き!」
「モーツアルトで英語耳を強化する」